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2009年11月04日
大阪に行ってきました。
仙台〜大阪を一昨日の夜と今朝往復したのですが,行きはともかく今朝は ♪ふわふわ♪状態
機内で「JALにつきまして皆さまにご心配をおかけしておりますが,今後ともよいよいサービスを・・・」みたいな放送があって,かなり世俗に引き戻されましたが,出勤後も少なからず「物の役に立たん」状態でありましたよ。へへへ。
昨日の記録(長かった〜)
11:30〜13:10
大阪市主催 平成21年度 青少年に贈る舞台鑑賞会
バレエ『ドン・キホーテ』 朝?公演
ジプシー関係を割愛した1幕4場仕立ての公演。
主演は,柳原麻子(MRB)/法村圭緒(法村・友井)
小嶋さんがエスパーダを踊りました。
期待どおりかっこよかったです。
容姿からも踊りの特質からも似合うのはわかっていたので,期待以上だったわけではないけれど,「マント使うのって,コール・ドも踊っていたハタチのころ以来なんじゃないかしらん?」などという懸念を見事に蹴とばしていただきまして,街の広場でも酒場でも,まさに期待どおり。申し分のないかっこよさで悩殺していただきました。
おまけに結婚式にも登場。ボレロまで見せてもらっちゃって,まああ,なんてサービスがいいんでしょー。
14:00〜15:40
大阪市主催 平成21年度 青少年に贈る舞台鑑賞会
バレエ『ドン・キホーテ』 昼?公演
ついでと言ってはなんですが,ついでに見ました。
主演は吉田千智(k★チェンバーカンパニー)/福田圭吾(K★チェンバー 新国) エスパーダは武藤天華(貞松・浜田)
夏に『海賊』パ・ド・ドゥを見て「お,よいんじゃ?」だった吉田さんをますます気に入りました。
お姫様タイプのバレリーナだと思いますが,キトリも悪くないし,ドルシネアでは本領発揮。すてきでした。
16:30〜
MRBプロデュース バレエ小発表会VII
どこが「小」発表会なのか不審な,長大なる発表会。(ヴァリエーション中心だから「小」なのかなぁ?)
第1部 16:30〜18:10 ヴァリエーション38曲・パ・ド・ドゥ4曲
第2部 18:20〜19:55 ヴァリエーション41曲・パ・ド・ドゥ2曲
とにかくひたすらヴァリが続くのですわ。幼児から「大人からのバレエ」まで。習い事からセミプロまで。
長丁場の発表会には何回も接しましたが,さすがに今回はつきあいきれませんでしたよ,すみません。
牧の若手男性出演のパ・ド・ドゥはチェックしましたが,後はロビーで読書とか睡眠とか。
第3部 『ロミオとジュリエット』
ジュリエットはMRBの大人の生徒さん。ロミオは牧の藤井学さん。
1幕 20:10〜21:10
2幕 21:20〜22:35(通常の2幕と3幕を通して上演)
「総監督・振付・演出 小嶋直也」という表記でしたが,えーと,特に誉めるようなものでは・・・。
所与の条件の中で既存の全幕作品をまとめる能力はあると思いますが,ダンサーとして冠絶しているほどには演出・振付が傑出していないのは間違いないところだと思います。(少なくとも,現時点では)
時間と余裕があれば,あとで詳しく書きたいと思いますが,とりあえずはダンサーとしての話。
小嶋さんはティボルトを踊ったのですが,これがもー絶品。
オールバックに髭を描いて登場したのですが,眼の辺りのメイクも強めで,凄みがありすぎ。ティボルトじゃもったいないかも〜,イワン雷帝なんか踊ってほしいかも〜♪ な感じ。
悪辣そうで,陰険そうで,でも,実は結構単細胞。頭に血が上って剣をぶん回しちゃったりして。(その辺の表現がすごく上手なの。自分で風演出・振付した効果もあるのかもしれない)
あと,マキューシオを殺した後の芝居がすっげーよかったです。
詳しくは明日以降にしますが・・・せっかくのエスパーダの印象が少し薄れてしまって,ちょっともったいなかったかも。
こういう「盆と正月がいっぺんに・・・」な事態は避けて,小出しにしてもらうともっと嬉しいんですけどー。
2009年09月15日
DDD・10月号に王子ご登場
写真は法村のサイトで見られるものと同じ。93ページです。(←立ち読みする方のために)
![]() | DDD (ダンスダンスダンス) 2009年 10月号 [雑誌] フラックスパブリッシング 2009-08-27 by G-Tools |
指導者兼業の効果とか,遠距離婚のメリットみたいな話もありますが,ファンにとっての最大の関心事である「体調はいかに?」については,「普通のクラシックバレエならほとんど問題ない状態」だとのことです。
(その「ほとんど」が曲者なんでしょうけどね)
で,「今回のようなチャンスがあれば,これからもどんどん踊りたい」そうですが,ううむ・・・「今回」というのは法村への客演のことを指していて(そもそも「関西バレエ通信」というコーナーなのだ),新国や牧で踊るということを想定していない気配です。
困ったもんですよねえ。
大阪で踊るのも結構ですし,私は喜んで見にいきますが,「ほとんど問題ない」のなら,時々は新国で踊っていただきたいものです。
(牧はどうでもいいです。客席の大半は広い意味での関係者だし,お弟子さんたちの機会を奪うわけにはいかないだろうし)
それはそれとして,ついでですから,DDD 10月号でのバレエ関係の記事を紹介しておきますね。
『兵士の物語』
インタビュー:アダム・クーパー ウィル・ケンプ
NYCB日本公演(2回連載の1回目)
インタビュー: ダーシー・キスラー アンドリュー・ヴァイエット ウェンディ・ウィーラン
NEO BALLET NIJINSKY
インタビュー: 酒井はな 西島千博
あえて形容すればチャイナ? な金の奴隷と『牧神』のニンフですか? なゾベイダの写真がフューチャーされております。
ファッション誌的な提供商品での装いのようなので(酒井さんのドレスは60万円!の品らしい)実際の舞台は違うのかとは思いますが・・・良く言えばファッショナブル,悪く言えば珍奇。
立ち読み(つーより立ち眺め?)の価値あり,だと思います。
2009年09月13日
教えてください。熊谷和徳さんについて
私はタップダンスには全く興味がないのですが,バレエの情報を求める中で,ダンス全般について多少は知ることになりますし,その中で,この方のお名前はよく聞きます。
ただ,この方仙台出身だそうでして・・・お名前に接する機会が多いのが地元出身だからなのか,それとも真に全国的・国際的に名のある方なのかがわからないのです。
もしタップについても詳しい方がいらっしゃったら,教えていただけないでしょうか?
高名な方であるにしても,その中身はいろいろだろうと思います。
例えば「日本を代表するバレリーナ」であっても,吉田都さんと草刈民代さんでは意味合いが全然違いますよね。
斎藤友佳理さんなのか上野水香さんなのかで全然違うし,酒井はなさんということもあるかもしれない。もしかして竹島由美子さんということも? (ないとは思うが)谷桃子さんや森下洋子さんだったら,それはそれで素晴らしい。
というようなニュアンスも含めて,教えてくださる方を求めております。
無理かもしれませんが,助けてくださる方がいらっしゃればよろしくお願いします。
メールかコメントをお待ちしております。
ZQ6N-MTU@asahi-net.or.jp
よろしく〜。
2009年09月10日
2009年08月30日
バレエコンクール「伯楽星カップ」
「バレエ競技会」というのは新鮮な表現ですが,もちろんバレエコンクールのこと。「古川」というのは,大崎市の中心地です。(福岡と博多みたいな感じ?)
コンクールは日本中あちこちで行われていますから,大崎市で始まっても別に驚かないわけですが,「伯楽星カップ」という競馬かゴルフみたいな名称には驚きました。
いや,伯楽星というのは大崎の地酒の銘柄。「究極の食中酒」などと呼ばれる飲みやすくておいしいお酒なのです。
たしか「2010年ワールドカップFIFA公認日本酒」にもなっていたはず。
東京で飲みにいくと宮城のお酒として同じ大崎の「一の蔵」なんかを勧められるのですが,私たちにとって一の蔵はいつでも飲めるお酒。その辺のスーパーやコンビニでいくらでも売られています。
「伯楽星」のほうは,地酒自慢の酒屋さんにしかありませんし,飲みに行ってメニューに載っていると「お,伯楽星があるのか」という反応になる。
でも,ちっちゃな蔵元さんですから,バレエコンクールのスポンサーになれるとは思えない・・・というわけで,記事を読みますと,英ロイヤル・バレエ・スクール校長のゲイリーン・ストックが日本酒好きで伯楽星をプレゼントされたのがコンクールのきっかけなのだそうです。
そんなんで「国内屈指規模」のコンクールが成り立つのか? と門外漢としては思ったりもするのですが・・・トップページだけですがサイトもできていました。
皆さんにはあんまり興味ない話題ですよね。すみません。
つーか,伯楽星が出てこなければ記事にしなかったと思いますもん。
ということで,ついでに伯楽星の宣伝をしましょー。
宮城県庁?による紹介ページ
久しぶりに,楽天市場へのアフィリエイト・リンク
2009年08月29日
バレエフェス・ガラの感想(おまけ編)
登場したNBSの佐々木専務理事によるファニー・ガラの告知は,原稿が用意されていたにもかかわらず,かなーり聞き取りにくいものでした。
まあ,これはしかたがないですよね。ご高齢で立っているのも大変そうでしたし,加齢による体力的衰えがあっても(あるからこそ?),佐々木さんご本人が登場することに意味があるのでしょうから。
その告知の途中で,「日本ではアフター・シアターを楽しむ場がないので,今日は文化会館2階の精養軒に終演後1時間営業をお願いした。是非皆さんご利用ください」みたいなお知らせと,「フェッテの手拍子はやめましょう」という啓蒙が行われたのですが,後者に関連して,佐々木忠次さんというのは実にもって失礼な人だなー,と改めて呆れたことでした。
佐々木さんの発言は,熱心なバレエファンであった故人・・・(現在につながる成果が生まれたかはさておき)バレエの普及やバレエダンサーの育成のために多額の私財を投じた方でもあります・・・に対して「文化人でもないくせに」呼ばわりすものでした。
その故人が「フェッテの手拍子」を発案し普及させたのかどうかについては私は知識がありませんが(ロシアの舞台を収録した映像でも行われていますから,世界の各地で自然発生しているのではないかという気もする),かりにそうであったにしても,ああいう言い方は無礼千万です。
手拍子がダンサーにとって迷惑であるのなら,そのことを説明して止めるように説けばいいだけのことです。わざわざ故人を貶める必要は全くありません。
そもそも舞台が終わった後で佐々木さんが述べるというのは,注意の方法としては全くもって不適切。
大切な注意なら,開演前にアナウンスを流せばいいではありませんか。
佐々木さんの物言いは私にとって極めて不愉快でしたし,それを聞いて笑い声が上がったのは,それ以上に不愉快なことでした。
佐々木さんが下がると幕が開き,おなじみのオープニングの音楽とともにおなじみのデザインの字幕が登場し,「第12回世界バレエフェスティバル」の文字が反転すると「第13回世界バレエフェスティバル 予告編」の文字が。
よかった,これで出演者がちゃんとわかる・・・と一瞬喜んだのですが,そこまでは用意しきれなかったということでしょうかね,字幕はどこで終わり。
『コッペリア』のスワニルダたちがコッペリウスの家におっかなびっくり忍び込む音楽で,上手袖から5〜6人のダンサーが登場。頭に大きなリボンをつけたのとか,ヘンテコなカツラのとか,チュチュ姿の男性が多かったですが,オペラグラスを使っても,誰が誰やら・・・でありました。
コッペリウスの家の人形を引っ張り出してみたら踊りだした・・・という設定みたいで,最初は,マラーホフ@ジゼルとヴィシニョーワ@アルブレヒトによるパ・ド・ドゥでした。
マラーホフは白塗りで髪に大きな花を飾ってグロテスク。ヴィシニョーワは10代の少年が踊っているみたいで,すっごくかわいらしかったです。
しおらしいジゼルがリフトの段になったらいきなりアルブレヒトをリフトするとか,最後,跪くアルブレヒトの背後でジゼルがポーズしてべちゃっとアルブレヒトをつぶしてしまうとか。(上手いもんだなー,と感心)
次は,シムキン/コチェトコワ(←たぶん)による『海賊』奴隷のパ・ド・ドゥのアダージオ。
女の子みたいに細く見えるシムキンもチュチュ姿になると筋骨隆々なのだなー,と感心しましたが,コチェトコワの上手なサポートもあって,手をつないで支えられてのアラベスク・パンシェ(←たぶん)などはとてもキレイ。
ベールがほどけてしまって,無理やり巻きつけられる,等。
次は,サラファーノフによるフロリナのヴァリエーション。
彼も細く見えますが,やはりゴツイのですねえ。真面目に踊っていて,美しく,面白かったです。
次は女性ダンサーの青い鳥が登場。踊りだした途端,その前から舞台上うろうろしていた太った狩人(指揮者のオブジャコフのようでした)に撃たれて絶命しました。ギャグとしては,これが一番面白かったと思いますです。
続いて,上手に行儀悪くすわって,写真を撮ったり煙草を吸ったりしていたピンクのチュチュのスワニルダの友人3人で,『海賊』のオダリスクのアダージオ。
皆さん扮装が凝り過ぎで,私には1人も見分けられませんでしたが,デカい男性3人でありました。
次は,お髭をつけたオシポワが颯爽と登場し,『パリの炎』の男性ヴァリエーションを踊りました。まるほどー,適役だなー,と。でも,さすがにグラン・テカールまではしないのだなー,とも。
皆が彼女を取り囲んで写真を撮ったりいろいろしておりました。出待ち風景のマネでしょうかね?
ここで舞台転換。幕が上がると,上手奥に,次は『バヤデルカ』だな,とわかる短い坂があり,スタッフらしき2人が慌てて坂の向こうに隠れるという巧まざるユーモラスなシーンから。
次々と降りてくるダンサーたちは,たぶん総勢11人。(ヴァリエーション3人以外に,左右に4人ずつコール・ドが並んでいたから)
女性は3人。セミノノワときれいなバレリーナ(カーテンコールのティアラからブシェと判明)と丸いサングラス? をかけた小柄なバレリ−ナ。残りは男性でした。
第1ヴァリエーションは,ボァディン(カーテンコール時にカツラで登場したので判明)。
第2ヴァリエーションはカレーニョ。胸の詰め物が上下にズレて大変なことになっていました。
3人目はマルティネスでした。彼は,白塗りやらカツラやらの過剰な装飾? なしでいつもと同じ顔で登場してくれるので,分かり易くて助かります〜。尋常に踊って,振付どおりイタリアン・フェッテも披露しておりました。
当然ながら,コール・ドもいろいろ演じておりました。
セミオノワが1人だけ『白鳥』のポーズをとって周りが『バヤデルカ』なので慌てて直すとか。彼女は終わった後のカーテン前で「泣く」マイムをしてみせたりしておりましたね。
一番面白かったのは,下手側の4人のうち3人がドタバタを繰り広げている中,1人だけ袖のほうを向いて正しい影のポーズを続けて超然としていた人。白塗りでくっきりと頬にシャドウを入れたメイクのためよくわからないのですが,もしかするとフォーゲル・・・かなぁ?
カーテンコールは,例によって,改まった私服の人,衣裳の人,おまけのままの人,半分だけ回復した人などが入り混じり。
今までは,もうちょっと待ってもいいから出演者は着替えて出てきてほしい,できれば全員私服姿を披露してほしい・・・と思っていたのですが,今回くらい「いったい誰なんだ?」が多いと,余興に出演した人はそのまま出てきてくれたほうが本名が判明してよかったような気も。
ボァディンの服装がどうだったかは忘れてしまいましたが(前述のとおり,髪はカツラのまま),カレーニョは今回も,バレリーナ姿のまま平然と紳士的にパートナーをスコートしておりました。
びっくりしたのはマルティネス。涼しい顔でアルブレヒトの衣裳で現れましたよ。白塗りなしで踊れば,こういう早替わりも可能なのですねー。
ああ,面白かった♪
2009年08月23日
バレエフェス・ガラの感想(第4部)
『パリの炎』
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ
この日は「テクニック勝負」系演目が少なかったので,Bプロのときよりはこのペアの存在意義が感じられましたが,見ていてあまり楽しくなかったです。
「気迫溢れる上演」すぎて,普通このパ・ド・ドゥを見るときの「元気なテクニック披露を暢気に楽しむ」という楽しみ方ができにくい感じ。
サレンコは回転系が上手。
ヴァリアシオンもきれいに(&普通より多いかも? な感じで)回っていましたし,コーダのフェッテは前半は規則的にトルプルを入れ,後半は450度ずつ回って身体の向きを変える技を見せていました。
『コッペリア』でも同じことをしていましたが,前半の「ぐらつくバランス」がなかった分,この日のほうが好感度が高く。
コンヴァリーナは,跳躍系が上手。きれいに脚を開いて跳んでおりました。
が,かなーりテンパってる風でして・・・フランツはよかったのになぁ,テクニック系パ・ド・ドゥ向きではないんだろうなぁ,と思いましたです。
『三人姉妹』
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス
作品としての完成度が高いので、どなたが踊ってもそれなりに感動的な演目。
さすがはマクミランですよね〜。英ロイヤルはこういう財産があってよいですよね〜。
ヌニェスは,おとなしやかな若夫人風。
今まで同じ役で見たバレリーナに比べて特に印象的だった点はありませんが,普通によかったと思います。
最後にヴェルシーニンのマントを抱きしめるところに「クサい芝居」感がありましたが・・・プログラムのプロフィール欄を見るとこの作品がレパートリーに入っていないので,今回初めて踊ったのかもしれませんねー。
ソアレスが踊るときの,どすんばたんという大音響には驚きました。(3年前のウルレザーガもすごかったですが,さらに上を行くなぁ。←「上」でなく「下」と言うべきか?)
それから,衣裳が似合っていませんでした。というか,つんつるてんに見えたのですが・・・バレエ団の衣裳を借り出してきたが彼には腕が短すぎたとかでしょうかね???(謎)
という2要素のため,あまり感心はできなかったのですが,マーシャに対する演技に包容力と愛が感じられたのはよかったです。踊りに多少足らざる点があっても,私生活上のパートナーを連れてくる意味はあるのだなー,と少し納得しました。
『ザ・ピクチャー・オブ』
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:ヘンリー・パーセル
マニュエル・ルグリ
薄暗い中,無音で始まり,次いで(プログラムによると鯨の鳴き声だという)奇妙な音が流れたのには暗澹としましたが,その後は宗教的な感じの音楽になり助かりました。
私には意味不明の振付でした。というより,何も伝わってくるもの,訴えかけてくるものがなかったのですが・・・そういうモノを求めてしまうのは,ルジマトフの舞台を見続けてきた後遺症なのかもしれません。
「太極拳か?」な振付をビロードのような滑らかさで踊るルグリの動きは見事。(少々退屈しながら)見惚れました。
『ロミオとジュリエット』
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
オレリー・デュポン ローラン・イレール
緊迫感に満ちた上演。感動的でした。
この作品は以前全幕で見たことがあります。その時の感想はこちらですが,その印象からして,これも,「振付と音楽の力で誰が踊ってもそれなりに感動的になる作品」に該当すると思います。今回は,その上ダンサーが優れているわけですから,たいそう見応えがありました。
印象的だったのは,最初はロミオが,後にはジュリエットが,死んだ恋人の指を口でくわえて持ち上げる動き。エロティックでありながら暴力的。しかも滑稽でもあるからこそ悲痛。
この作品のジュリエットは「支配階級のお嬢様」という設定ですから,女優のような美しさのデュポンはたいへん似合っていました。
ロミオのほうは労働者階級の青年で,もしこれが10年前のイレールであったら似合わなかったかもしれないなー,と思います。
いや,「青年」という意味では,今のほうがずっと苦しいわけですが,しかし,前髪の生え際が後退し,少々「現役ではない」感のある体型の今のほうが,つなぎの衣裳も板につくというもの。
(実際以上に)年齢差が感じられ,「許されざる恋」に説得力を与えていたと思います。
『春の声』
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:ヨハン・シュトラウス
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
脳天気にかわいらしいデュエット。
3年前にも見て「新婚さんはいいわね〜」と思いました。今回も同じ感想でして・・・3年経ても衰えない2人の幸せオーラはすばらしいというか,アホくさくてつきあいきれないというか。
私としてはこの演目がなくても一向に差し支えないのですが,ガラ向きの演目ですからよろしいのではないでしょーか。
ダンサーとして優れており私生活上のパートナーでもある2人が,こういう催しでともに踊れるというのは,実に幸運な境遇ですよね〜。
『ドン・キホーテ』
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
上野水香 デヴィッド・マッカテリ
通常見るのとはだいぶ違った振付で,リフトもない上演でした。
なんかどこかで見たことのある振付のような気もするのですが,いろいろ思い返してみても思い当たるものはなく・・・。東バが上演しているワシリーエフ版と違うのは間違いないと思います。英ロイヤルはバリシニコフ版でしたっけか? だとしたら,やっぱり違う・・・。
今回のためにわざわざ振り付けたわけでもないでしょうし(←誰が?),謎ですわ。
上野さんは,長く安定したバランスと(準備作業が見えすぎてイマイチではあるが,それなりに効果的な)扇の開閉&ダブルを入れたフェッテを見せましたし、少女のような笑顔がチャーミング。
「ジゼル1幕の衣裳の色を赤くしてクラシック・チュチュに仕立て薔薇1輪を飾っただけ」という感じのかわいらしい衣裳も,彼女のおっとり〜とした個性に似合っていて,Bプロの黒鳥よりずっと魅力的でした。
彼女の問題点はいろいろあると思います。上半身の動きに雑なところがあるとか,情緒が不足しているとか,(最近はそうでもなかったのですが)自分の踊りに自信を持てないまま踊っているのが観客にわかってしまうとか・・・。
で,この日見ていて強く感じたのは,上記の最後の点と共通する問題点。パートナーシップへの不安があまりにも正直に踊りに出てきてしまうのだなー,ということです。
バランスやフェッテは1人でできる技術です。そこはちゃんと見せられる。
でも,アダージオは・・・(見慣れない振付ですから踊り慣れていなかったのかもしれませんが)あまりにも確信が欠けている。
たぶん,パートナーが高岸直樹さんであれば,ずっとよい舞台になっただろうと思います。逸見智彦さんであっても,もっとマシだったろうと思います。
言い換えれば,マッカテリは,彼女のパートナーとしては,全くもって不適格だというのが私の意見です。パートナーを助けようという気持ちが見えない。2人でよい舞台を作り上げようという姿勢がない。
決められた振付のとおり踊っていて,それなりの実力のダンサーですからそれなりにかっこよく見えますが,それだけ。
いや,そういう助力を必要とするのは,上野さんの未熟さではあります。彼女に問題があるのは確かだと思います。
しかし,東バを経営するNBSが彼女をこの催しに出演させることにした以上,しかも「プログラムの1つくらいにちょっと出てみました」という斎藤さんと違ってA・B・ガラを通して出演させ,『ドンキ』でトリまでとらせる以上,彼女の魅力を最大限に売り込みたかったわけでしょう?
そういう方向を前提に考えると,今回のパートナー選びはあまりにも無神経だったと思わざるを得ません。
いや,それにしても疲れました。
私は牧時代から上野さんの舞台を見ておりまして,当時から「そんなにいいかぁ?」という冷たい観客だったと思うのですが,今回は,彼女のあまりの健気さに,ついつい「応援モード」になり,励ましの拍手を送ってしまいましたもん。
私,ダンサーを応援するのってイヤなんですよ。新人の初主役などでそういう気分になることもありますが,そういう舞台より「あら,初主役とは思えないわ」のほうがよいのは当たり前。お金を払って楽しませてもらうのが観客であって,応援する義理はない。
それなのに,そういう気分を,よりにもよって世界バレエフェスティバルで味わうことになるとはねえ。参りましたよ。あっはっは。長いことバレエを見ていると,いろんな体験をするものですねえ。
バレエフェス・ガラの感想(第3部)
振付・オーギュスト・ブルノンヴィル 音楽:H・S・レーヴェンスヨルド
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ
えーと・・・オシポワはミスキャストに思われました。
跳躍力に秀でたバレリーナですのでシルフィードには向いていそうに思ったのですが,不思議なことに,それとこれとは全然別の要素らしいですねー。高く,大きく跳躍しているのですが,妖精の浮遊感はありませんでした。
いや,悪かったとは全然思いません。
いたずらっぽい感じもあったし,「ジェームス一途」と形容したい趣の可愛げもあったし,「無邪気だからこそ対処に困る」とも思ったし,衣裳だって似合っていた。色気もあって,魅力的だったと思います。
ただ一つ。生身の人間にしか見えなかったのですよねえ。
サラファーノフは,「欺されやすそうなお坊っちゃん」に見えるのが適役でした。
普通の振付以上に忙しそうな足技を盛り込み,しかもスムーズ。たぶん,本来のブルノンヴィル・スタイルとは違うロシア風の踊り方だとは思うのですが,見事なことは確かです。
ジェームズの衣裳は白のブラススと赤系のキルト。
サラファーノフの上半身は,細すぎて貧相に見える傾向があるので,ブラウスではなく「きっちり上着も着込む」系のほうが賢明だったのではないかしらん?
『アルミードの館』よりシャムの踊り
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ニコライ・チェレプニン
ティアゴ・ボァディン
『アルミードの館』というのは,バレエ・リュスがパリで上演した最初のバレエで,振付はフォーキン。たぶん「今では失われた作品」に該当するのだと思います。
今年創作されたというノイマイヤー版『アルミードの館』については全く知識がないまま舞台に臨んだのですが,踊り始めたボァディンの口角を上げた笑いがニジンスキーに似ていてびっくり。
イメ−ジはわかっていただけますよね? あの「中性的で,魔物めいて,妖しい笑い」とそっくりだったんですよ。(ほんと,驚いたわ〜)
衣裳もいかにも「クラシック・バレエでのシャムの踊りの衣裳」的なエキゾチックな趣ですし,いわばノイマイヤーによる復元の試みなのだろう,と思いつつ鑑賞しました。
振付の細部は忘れましたが,赤い疾風が舞台上を縦横に駆けるような踊り。そして,ラストシーン,身を伏せて獲物を狙う猫科の動物のようなポーズは,うわ,これ,見たことある! ニジンスキーの写真そのままだ!!
私は基本的に「自分が実際に舞台を見られるダンサー」にしか興味がないので,ニジンスキーについても特に思い入れはないのですが,こういう風に見せられれば,やはりバレエ・マニアの血が騒ぎます。
なぜにボァディンがソロを??? と不思議だったのですが,なるほどー,こういうことでしたかー。(ノイマイヤーは,ダンサーの売り込み方も上手いね)
後日ハンブルク・バレエのサイトで写真等を見ての推測ですが,ノイマイヤー版『アルミードの館』は精神を病んだ後のニジンスキーを描いた作品のようです。(初演者は,オットー・ブベニチェク)
妻(ブーローニュ)や主治医(ウルバン)が登場し,追憶中の劇中劇として,ニジンスキーがパリを席巻した契機となった『アルミードの館』でのパ・ド・トロワが盛り込まれ(ニジンスキーが踊った「奴隷」役はリアブコ),アルミード役は妻と同じブーローニュ,ディアギレフは(もちろん! 主治医と同じ)ウルバンで・・・。
調べてみたところ,「シャムの踊り」は,フォーキン作『アルミードの館』の中の踊りではありません。
フォーキン振付による『オリエンタル』という表題のディベルティスマンの中の踊りで,インド風,ペルシア風,中国風等々の踊りが繰り広げる中で,ニジンスキーはシャム風を担当したということのようですが・・・ロシアでの初演時には「男性プリンシパルが女性パートナーを伴わすに踊る初めての例」という評価もあったそうです。
ノイマイヤー版の中では,リアブコが踊る奴隷とともに,病んだニジンスキーを訪れる過去の記憶として存在し,踊るのではないか,と。
・・・余計な話が長くなりましたが,見応えのあるソロだったと思います。
『マクベス』
振付:ウラジーミル・ワシーリエフ 音楽:キリル・モルチャノフ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ
初めて見ました。
1980年にワシリーエフが振り付けた2幕の作品中のパ・ド・ドゥだそうです。おそらく,ボリショイでも最近は上演されていないのかと思いますが,衣裳や振付や全体の雰囲気が「なるほどー。1980年の作品なんですよねー(ふるっ)」という感じというか「ソ連の現代作品(懐かしー)」な趣というか。
ではあるのですが・・・同時に,「おお♪ ザハロワの美質をこんなに生かせる作品をよくぞ発掘っっ♪♪」でもありました。(見ているうちに,彼女に当てて創られた作品のような錯覚に陥った)
女性の脚が,男に絡みついたり,リフトされつつ空中でさまざまな形を見せたり・・・そういう動きが多用されているのですが,何しろザハロワのしなやかで長い脚ですから,実に美しい。
しかも,彼女は(そしてウヴァーロフも)あまり色気がないダンサーなので,そういう動きに過剰な性的意味が付加されないで,心情や物語だけがくっきりと立ち上がってくる印象。
預言を得てもなお逡巡するマクベスに謀反するよう妻が迫る場面・・・かと思いますが,ドラマチックでとてもよかったです。
女性の衣裳は赤のロングドレスですが,前面は膝よりずっと上の短さ。(センスの悪さがソ連的)
男性は,うーむ形容し難い。「ローマ時代のようでもあるが,そう言われてみればいかにもマクベスのようでもある」感じ。ウヴァーロフが前髪を下ろしていたのが,非常に中世的に見えました。
『ロミオとジュリエット』より“寝室のパ・ド・ドゥ”
振付:ケネス・マクミラン 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ
レイエスは小柄ではありますが,成熟した大人の雰囲気もあり,恋人と(うん? 密かに結婚した後なわけだから,夫と言うべきか?)ひと晩をともにすごした後なのだよなー,ということがよくわかる感じ。よかったです。
カレーニョは,この催しでおなじみの演目ではなくロミオを見せてくれたのはよいとは思うのですが・・・10年遅いのでは? という気もしました。
包容力ある大人のロミオで,全幕で見ればそういうロミオもあるかとは思いますが,この場面に関しては,ううむ・・・。
『じゃじゃ馬馴らし』
振付:ジョン・クランコ 音楽:クルト・ハインツ・シュトルツェ
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ
振付もダンサーも見事だったと思いますが,私,この作品は嫌いなのですわ。パ・ド・ドゥだけの上演だから割り切って楽しめばいいのでしょうし,途中からそれに成功したような気がしたのですが,ラストを見たら,全幕を見たときの不快感が甦ってきてしまいました。
2009年08月17日
王子ご近影
6月に客演した法村友井バレエ団の公演(最近ではないが,紹介するのを失念していた)
『ラ・シルフィード』(帽子は相変わらずイマイチだが,キルト姿は,プロポーションの良さが際立つ。ほんっとに似合うよねえ)
『グランド・ホテル』(髪が茶系に見えるのだが,はてな?)
チャコット・ダンス・キューブ 上記・法村友井バレエ団公演について(たぶん,バレエ団のサイトと同じ写真なんじゃないかな)
ジャパン・アーツのバレエ・ブログ。先日開催の「バレエ・アステラス2009」の舞台裏で記念撮影? 出演した岩田守弘さんと「へー,日本にいたんですか?!?」なイレク・ムハメドフと。
(メールで教えていただきました。ありがとうごさいました〜。ほかにも見掛けたら教えてくださいね〜)
☆出演情報☆
松田さんのブログによりますと・・・23日開催の高知県高知市春野「春野バレエ・スタジオ」発表会に招かれたそうで,王子もパートナーとして出演予定。(黒鳥のパ・ド・ドゥ)
時間的・経済的距離が少々遠すぎるので,私もさすがに行けませんが・・・高知県民の方やお近くの方は是非どうぞ〜。
ちょっと調べてみたところ,450席くらいのホールのようですね。万が一にも,舞台から落ちたりしないよう祈りますです。
2009年08月16日
バレエフェス・ガラの感想(第2部)
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ
3年前にも見て,そのドラマチックな表現に驚きながら感動した演目。
大いに期待して臨みましたし,期待どおりのすばらしさ♪♪♪
美しく踊れる(←重要)コール・ドつきで踊るのも見てみたいものですが・・・難しいかしらね?
美しくどこかもの哀しい音楽の中,美しい2人が描き出すドラマは,許されない恋の物語? 出会ったときは既に遅く,それでも会えば魅かれるしかない。結ばれる望みはなく,それでも,忘れ去ることはできない運命の恋人。(で,たぶんプラトニックなんだよね)
今回特に強く感じたのは,視線の重要さです。見つめ合っているときもあれば,向き合っているのにあえて外して踊るときもあり,ヴィシニョーワは目を伏せているシーンも多く・・・。こういう細部がドラマにつながるのだなー,と再確認しました。
「バレエは視線の芸術だ」というフレーズが頭に浮かんだのですが,これってどなたかが言っていたことでしたっけ?
『カンティーク』
振付:モーリス・ベジャール 音楽:ユダヤの伝承音楽
エリザベット・ロス ジル・ロマン
1987年に振り付けられた作品だそうです。
ロスは白いロングドレスに左右に分けた長い三つ編み。ロマンは黒の衣裳にユダヤ風の帽子を着けていました。
たしか3曲あったと思うのですが,最初のうちは,女性は舞台中央の白い箱(?)の上にいて,その周りで男性が踊っていたような記憶が。最後は2人とも激しく踊っていて,なにか宗教的な儀式のようにも見えました。
プログラムの解説が難しくてよく理解できないし,私には面白くありませんでしたが,音楽の雰囲気とはよく合っていたと思いますので,たぶん,よい振付なのではないでしょーか。
『グラン・パ・クラシック』
振付:ヴィクトール・グゾフスキー 音楽:ダニエル・オーベール
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル
セミオノワは,装飾も含めて黒で統一したチュチュで登場しました。白い衣裳で踊られることが多い作品ですが,黒もシャープな感じでよいです。
前回は「若手」という感じでしたが,今や堂々たるプリマですよね〜。アダージオのバランス技もヴァリエーションのパ・ド・シュヴァルも立派な出来ですし,かっこよく輝いておりました。
フォーゲルは,タイツは白で上が黒という衣裳。
3年前に黒鳥のパ・ド・ドゥを見て,技術の低さに呆れたのですが,だいぶ上達したようでした。とはいえ,回転系はやはり・・・。それに,全体に「もったり」感がある踊りで,うーむ,私はこの方の踊るクラシック・バレエを見たいとは思いませんー。
あ,前髪を整える努力をしているのを初めて見ました。うむ,よいことですね。
『TWO』
振付:ラッセル・マリファント 音楽:アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム
見るのは3回目ですが,率直に言って,何回も見たい作品ではありません。
まあ,見るのがイヤというほどでもないので,上演してもらってもよいのですが・・・でも,最初のほうの「暗い中で蠢く肉体」はないほうが嬉しいなぁ。
後半の,旋廻する手や足にスポットライトが当たって残像が生まれる・・・の辺りは,今回も座席の位置が悪かったみたい。細切れというか何というか,消化不良の感が残りました。
『ソナチネ』
振付:ジョージ・バランシン 音楽:モーリス・ラヴェル
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ
感想:つまらなかった。
と一言で終わっちゃいそうなくらい,私には退屈な作品で,早く終わんないかなー,と願いながら眺めておりました。
前にもバランシンでこういう目にあった記憶があって・・・後から調べたら,『デュオ・コンチェルタンテ』のようです。
あれは,ダンサー2人とバイオリン奏者だけが舞台上にいて,踊らない時間がけっこうある作品であった。今回はダンサー2人とピアニストが舞台上にいて,踊らない時間も・・・少しあったよね。(←自信なし)
・・・うーむ,似ている。
衣裳は,『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』に似ていました。女性はサーモンピンクで形もそっくりだったような? 男性は,色は淡いブルー〜パープル系で似ていましたが,上半身はロミオ型ブラウスだったかな。
ルグリの腕の動きがエレガントでした。
『海賊』
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン
コチェトコワは白く輝くチュチュで,シムキンも白いハーレムパンツに上半身の三角布(←何と呼べばいいのだろう?)も透ける白。
なるほどー。考えましたねー。「ちっちゃくてかわいい」2人の個性を生かした衣裳ですよねー。(ん? 見たことないんだけど,まさかABT仕様ではないですよね?)
シムキンに関してはBプロで「ううむ・・・」があった上,何しろ『海賊』ですからねー,自分の反応をかなり心配していたのですが,アダージオがロマンチックだったので,「あら,いいわね〜」となりました。
「お姫さまと海賊」でもなければ「首領の恋人と奴隷」でもなかったと思います。ええっと・・・「10代前半の王子と幼なじみの乳母の娘(10代半ば)がロマンと冒険の海賊ごっこ」でしょうかね?
でも,このアダージオを「テクニック披露の前座」として扱わず,恋人2人の踊りとして見せていたと思うし,何より,このパ・ド・ドゥ特有の「両手を肩の辺りに置く」形が洗練されていて,メドーラへの想いの表出になっていたのが嬉しい♪
ソロに関しては,やはり音を引き伸ばしすぎるんじゃないかなー,という点が気になりました。(音楽を遅くするよう指揮者に注文しているのか,踊り方の問題なのかはわからない)
でも,あれだけ軽やかで美しいテクニックを見せてくれるのなら,あんまりどうこう言わなくてもよいのかなー,という気もしました。
最近流行りのあの技,後方に斜めに身体を倒しながら360度回る離れ業は540(ファイブフォーティー)と言うのだそうですね。(←2ちゃんねるで学んだ知識)
そう言われてみれば,あれは360度回転ではなく540度だ,と思ったり思わなかったり・・・。
要するに「よーわからん」わけですが,あの技を3つ続けて見せたのには驚きました。
しかも,軽やかで高くて・・・あの技のあと「ふわっ」と降りるダンサーを見たのは初めてだなー。すごいよなー。
あ,そうそう。登場シーンでのアラベスクの背中の柔らかさも見事でした。
コチェトコワは,私がイメージするメドーラとは全然違いました。(小柄なバレリーナさんは,ギュリナーラにどうぞ〜)
ですが,この際「シムキンと踊る」という前提があるわけで,こちらも,どうこう言ってもしかたない。
楚々として軽やかな踊りでしたし,テクニックも強い。フェッテなんて,後半たまにシングルが入った程度で,ほとんどダブルで通しましたもん。
うん。よかったと思いますよん。
(第3部の感想は,今週末を目標としたいと思います)
2009年08月15日
バレエフェス・ガラの感想(第1部)
『白鳥の湖』第1幕よりパ・ド・トロワ
振付:グレアム・マーフィー 音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン/レイチェル・ローリンズ/ロバート・カラン
1幕のパ・ド・トロワのアダージオの音楽を用いて,三角関係をわかりやすく(=露骨に)描く踊り。王子はの心は男爵夫人にあり,オデットは明らかに疎外されているということを観客に伝える場面です。
たしか,そこまでもいろいろ伏線はあったけれど,この踊りで,真相がはっきりするのではなかったかなー?
一昨年全幕で見たときとは3人とも違うキャストでした。ダンサーの演技力よりは演出・振付が際立つ作品ですので,そんなに印象が違うわけではないのですが・・・
今回のほうが,女性2人が容姿も年齢も舞台上の貫禄も差がなく見える分(むしろオデットのほうが美人さんだしー),双方張り合う感じが強かったかも。
一方,カランはいかにも線が細い優男。「困惑するうちに流されていく」王子がたいそう似合っておりました。
ということで,楽しんだのですが・・・1曲だけというのは短すぎると思いましたし,前回すてきだったダンのクラシックが見られなかったのは残念でありました。
『カルメン』
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
タマラ・ロホ/フェデリコ・ボネッリ
で,こっちは長すぎると思いました。
ホセのソロから始まり,短いカルメンのソロ,2人の踊りが幸福そうなのと,不穏なの感じが最後には熱い交歓になるのと2曲・・・だったかしらん?
ロホが新国の『コッペリア』に客演すると聞いたときも驚きましたが,今回の『カルメン』にはもっと驚きました。
だって・・・ほかの版ならいざしらず,プティのカルメンは,あの黒のビスチエを着るわけで・・・うーむ,大丈夫か? よくプティが許可したなぁ? と。
で,実際見てみたところ,プティがOKを出した理由は理解できました。両足ポアントで立つときの脚のライン(甲の出方)なんか,とてもキレイですもんね。
が,ワタクシ的には,脚線美より全身のプロポーション。この点,やはり予想通り,「全然大丈夫でない」に該当しておりました。
雰囲気的には,黒い瞳が冴え冴えとした冷たい存在,という感じ。ファム・ファタール性は感じられるのですが,それは,カルメンが持っているであろう性的魅力とは全然違う種類のものであって・・・ほら,えーと,そうですねー・・・同じプティでも,例えば『若者と死』なんかのほうが似合うのではないでしょーか?(衣裳も長いスカートだしー)
ボネッリは,普通にはかっこよかったですが,この方,基本的に「陽気なイタリア男」なのかしらん? 翳のないダンサーが無理して伊達男を演じている・・・という感じでありました。
『ダンス組曲』
振付:ジェローム・ロビンズ 音楽:J.S.バッハ
ニコラ・ル・リッシュ
初めて見た作品。
すばらしかったです♪
バッハの無伴奏チェロ組曲の中から4曲を使っていて,チェロ奏者も舞台上にいます。ダンサーとのかけあい・・・まではいかないまでも,そこはかとない交流はある感じ。今回のチェリストは女性の方でしたが,男性同士だとまた違った感じになるのかな?
衣裳の襟ぐりの後ろを持って上に引っ張ってみるとか,でんぐり返しをしてみるとか,そんな動きも入っているのですが,ル・リッシュは「自由自在」という感じ。振付があって踊っているのではなく,音楽と戯れながら,心の赴くまま踊っているかのよう。
見ていて嬉しくなっちゃう踊りでした。
すばらしいダンサーですよね,彼。(←なにを今さら)
衣裳は上下とも赤のスウェットみたいに見えました。踊りやすそうではありますが,何ともダサイ。
が,そのダサさもこの作品の魅力なのでしょう。見ているうちに,あのでかいル・リッシュが,何とも可愛らしく見えてきました。(あ,髭は剃っていましたよ。←念のため)
『いにしえの祭り』
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:リヒャルト・シュトラウス
エレーヌ・ブシェ/ティアゴ・ボァディン
出征前の最後の夜会での男女を描いた1幕作品の一部。昨年初演された作品だそうです。
女性は大きくスリットの入った赤いロングドレス。男性は,白いブラウスに黒いベストとズボンだったかな?
デュエットが3曲踊られました。全くの推測ですが,全体の上演のときは,別々の3組のカップルが踊ったんじゃないかしら?
最初は,切ない雰囲気のある踊りで,いかにも別れの時刻が迫っているカップルという感じ。
次は,戦争が始まる前の回想シーンなのかしらん? 若々しくて幸福感溢れる踊りでした。
最後は,民族舞踊を取り入れた振付。同郷の2人が,首都に出てくる前,大人になる直前の学生時代を振り返りながら,ちょっと楽しく踊ってみました・・・という感じでしょうか? どこの国(地方)の踊りなのかしらん? 腕の形がチャルダッシュに似ていた??
・・・と書いたところで,考え込んでしまったのですが,この作品,第二次世界大戦中という設定だそうですが,いったい舞台はどこの国なのかしらん?
ハンブルク・バレエの作品ですから,連合国ではなく枢軸国のほうですよね,たぶん。ナチス・ドイツに実効支配されている東欧の国の青年たち・・・というのが私の気分には一番適うのですが,どうなんでしょう??(などと考えてしまう今日は,終戦記念日)
ブシェはゴージャスな美しさ。真紅のスリットから覗く脚の美しさと成熟した女らしさは格別でした。
黒い巻毛のボァディンについては,それほど強い印象は受けませんでしたが,難しそうなリフトもスムーズ。よいダンサーだなー,と。
『ジゼル』より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ/ジュール・ペロー 音楽:アドルフ・アダン
アニエス・ルテステュ/ジョゼ・マルティネス
きれいでしたが,この作品の抜粋上演は難しいのだなー,と改めて思いました。
コール・ドはなかったものの,パ・ド・ドゥに加えて,アルブレヒトの登場シーンとラストのジゼルが消えていく場面を上演し,それでもなお物語性が生まれないのですから。
ルテスチュは,人間らしさを消した冷んやりとした雰囲気のジゼル。
アルブレヒトをかばう中に花占いのマイムが見えたり(←確信はない),ソロを踊りながら涙を流すマイムを見せていました。古式ゆかしいフランス風『ジゼル』ということでしょうか?
(ルディエールやゲランは見ているんだけど,あんなんあったかなー???)
マルティネスはエレガント。
登場シーンが申し分なく美しいのに,ナルシシズムが感じられないのが,たいへんよかったです。
でも,ラストにマネージュして見せるのはなぁ・・・。好みの問題なのは承知していますが,跳躍数回するヒマがあったら走れよ! と。(切迫感が失われるんですよねえ)
パートナーシップは・・・うーん・・・? 普通??
破綻はないのですが,感情の交感は全く感じられず。かといって,「霊となったジゼルは人間アルブレヒトには見えない」とか「ジゼルに出会ったというのは,苦しむアルブレヒトの幻影の中の出来事」等の解釈も見えず,互いに淡々と踊っているように見えました。(だから「物語性」がない,という感想になってしまう)
ルテスチュはやはり大柄なのですねえ。マルティネスのリフトには(「よっこらしょ」まではいかないが)「よいしょ」感がありました。
(第2部に続く予定)
2009年08月14日
世界バレエフェスティバル・ガラ
5時開演。4部に分かれていて、おまけつきで終演は10時55分くらいだったかな。
簡単な感想を書きました。
やっぱり悪口もかなり言ってますので、その点はご注意を。
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