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2006年01月31日

マールイ『バヤデルカ』 1/28(ルジマトフ@ソロル)

3月発売の『青列車/三角帽子(ピカソとダンス)』や『カルメン/若者と死』について,→のコーナーに載せておきました。
よかったらご利用くださいね〜。


さて,本題。
土曜日の『バヤデルカ』,ルジマトフ編(?)です。

ルジマトフは,体調が万全ではなかったそうです。(聞いた話では,風邪? による高熱だったとか)
そのせいでしょうね,いつもどおり美しいソロルでしたが,全体に少しおとなしめ。
精彩がないとまではいいませんが・・・戦士の覇気とか影の王国での精神性とか全体としての舞台上の支配力とか・・・そういうものがいつもより少ないような気がしましたし,お顔もやつれ気味だったかも。(でもねー,それがまた凄絶な感じを強めて,すてきでしたのよん)

1幕は「性急な恋」のソロルで,「普通の女」のペレンのニキヤと合っておりました。
ガムザッティに引き合わされると最初は困っていてそれなりに藩主に申し出ておりましたが,割合早めに納得。ニキヤの奴隷とのパ・ド・ドゥを暗い顔をして見ながら,既に気持ちの整理をつけたようでした。

婚約式のパ・ド・ドゥは全然楽しそうではなかったですが,さほどニキヤにとらわれてはいない様子。
ベールに身を包んだニキヤが出てきたときに一瞬たじろぎはしますが,無表情のまま(ガムザッティの手をとったりしつつ)踊る様子を見ておりました。

そうですねー,ガムザッティに愛を移したわけではないと思いますよ。そうではなくて,「世の中そういうもんだ」という感じかしらん。
以前の「究極の優柔不断」ソロル,踊る度に私を怒らせていたソロルとは全然違う「大人の世界」のソロルを見たような気がします。

そもそも名流の戦士と寺院の踊り子との間の恋に無理があったわけですよね。(こっそり逢引してたくらいですから) そこに,主君の娘との結婚を命じられて・・・「命令に逆らえない」というよりは「恋というのは,命令に逆らってまで貫かねばならないものではない」ということなんじゃないかな。
権力や富に目が眩んだわけではない。でも,目の前に差し出されたそれを捨ててまで恋を選ぶ気がなかった。そういう感じを受けました。

そして破局。
ソロルは,薬瓶を手にすがるように自分を見るニキヤから目をそらして俯きます。
「わるい。悪いとは思う。でも,俺にはなにもしてやれないんだよ」という声が聞こえてくるよう。
最後は,ニキヤが倒れるのに間に合って(←なんとも無粋な説明だな),彼女はソロルの腕の中で死んでいきました。


ところで,今回婚約式でのソロルのヴァリアシオンは踊られませんでした。
で,実は私,恥ずかしながら,見ている間はそのことに全然気付かなかったのです。
なんとまー,これまで何回『バヤデルカ』見たんだか,たぶん20回くらい見たのにいったいなにを見てたんだか・・・と恥ずかしく思いますが,言い訳をするならば,私はルジマトフのソロを待ち構えている観客ではないから,わからなかったのだと思います。

なぜ「待ち構えていない」かというと,二つの理由があって・・・一つ目は,彼のヴァリアシオン自体は,私に「きゃあああ」と言わせる力をもう持ってはいないのですね。
ヴァリアシオンを踊っている彼を「美しいな〜」とは思いますが,ヴァリアシオンというのは跳躍技や回転技の組み合わせであって,彼の最近の「技」については私は少々懐疑的です。

もう一つの理由は・・・こちらのほうがずっと重要で,だからこそルジマトフの舞台に通い続けているわけですが・・・ヴァリアシオンなんかなくたって十分ほかのところで見せてくれて,全幕を通して見たときにすてきなソロルだから,ソロは別になくていい。あってもいいけど,なくたって全然構わない。

もちろん全然跳躍も回転もしなかったら,さすがにそれでは困りますが,3幕の初めのソロや影の王国など,ドラマの進行やソロルの感情表現に必要な踊りは全部見せてくれて,もちろんきれいでしたから,全然オッケーですわ〜。(いや,オッケーもなにも気付かなかったわけだが)

(本日は以上。また続く)

  

  

2006年01月30日

マールイ『バヤデルカ』1/28(シェスタコワ@ガムザッティ)

土曜日の『バヤデルカ』,続き行きまーす。


シェスタコワのガムザッティは,ますます怖くなっておりました。

可憐な美貌,愛らしい笑顔,優美な身ごなし,ご大家のお姫様ならではのこれ以上ないくらいの高慢さ,富と権力と自分の魅力に対する絶対的な自信,下賎の者にプライドを傷つけたられたときの冷徹な怒り,グラン・パで輝かしく踊れる技術とプリマらしさ・・・ガムザッティ役に必要なものをすべて持っていて,そして,ソロルへの想いはかけらもない。そういうガムザッティ。

私は,5年前に初めて見たときの彼女のガムザッティ,無邪気な可憐さで,踊るニキヤを見るソロルの表情を不安げに窺っていたガムザッティのほうが好きですが・・・今の彼女のほうが「よりガムザッティらしい」とは思いますし,「こんなに怖いガムザッティはめったにいない。映像で見たプラテル以上かも」とも思います。

なにが怖いって,婚約式にニキヤが登場した後の演技が怖い。
ショックを受けているソロルに「あら,どうかなさったの? こちらにおかけになって。あなたに喜んでもらおうと国一番の舞姫を呼んだんですから」なんて誘う(ように見える)。
ニキヤが悲嘆に暮れながら踊っているのを,さも満足そうな笑顔で眺めている。
花籠を渡されて嬉しそうなニキヤにいたたまれずいったん座を離れたソロルを見るのも余裕の表情。席に戻ると「そう,それでよろしいのよ」と言わんばかり。
ニキヤが蛇に噛まれた後も,ソロルが駆け寄ろうとする正面に自ら立ちはだかって阻止。「もちろんあなたは行かないわよね?」とその目が語っていたに違いない。
ニキヤに指弾されても表情を変えずに受け止めて,ついに彼女が倒れるのを見届けると,父とともにさっさと退出。

いやはや,ほんとに怖かったです。

ここを書きながらちょっと思いついたこと。
このガムザッティがニキヤを殺すのにわざわざ婚約式の席を選んだのは,ほかの女に誓いを立てたソロルへの罰だったのかもしれませんねー。(ニキヤと会ったのが先だった,などという事情はこの際考慮の外)

だって,ニキヤを殺すことが最大の目的なら,いつだってどこでだってできるわけでしょ? わざわざ踊りを披露させて,蛇を仕込んだ花篭を届けさせて・・・なんてややこしい段取りを踏む必要はない。そうではなくて,ソロルの目の前で殺すことに意味があったのかなー,なんて思っちゃった。
(それくらい怖いガムザッティだったわけです)


今日はここまで〜。

  

  

2006年01月29日

帰ってきました〜。

今日は,シェスタコワ/エフセーエワ/ルジマトフの『バヤデルカ』を見てきましたが,そうですねー,「楽しかった」というより「よい舞台でした」という感じかな。

なぜだかわかんないけどブログに接続できなくて時間がかかっちゃったから,今日はこれだけ。
明日は仕事だー。もう寝ますー。

  

  

マールイ『バヤデルカ』1/28 (ペレン@ニキヤ)

楽しかったですよん。

ニキヤ: イリーナ・ペレン
ソロル: ファルフ・ルジマトフ
ガムザッティ: オクサーナ・シェスタコワ

大僧正:アンドレイ・ブレグバーゼ
ラジャ: アレクセイ・マラーホフ
マグダウィア: ラシッド・マミン
黄金の偶像: デニス・トルマチョフ
インドの踊り: オリガ・ポリョフコ,アンドレイ・マスロボエフ
太鼓の踊り: アレクセイ・クズネツォフ
マヌー(壷の踊り): ヴィクトリア・シシコワ
アイヤ(ガムザッティの召使い): ナタリア・オシポワ
幻影の場のヴァリエーション: オリガ・ステパノワ,イリーナ・コシェレワ,タチアナ・ミリツェワ
ジャンペー: アリョーナ・ヴィジェニナ, ユリア・カミロワ
2人の男性: パヴェル・ノヴォショーロフ,アレクサンドル・オマール

※「2人の男性」というのは,婚約式のグラン・パを踊って,結婚式にも(ガムザッティのリフト役として?)同じ衣装で登場するダンサーだと思われます.
なお,グラン・パの女性ダンサーは,コシュレワ,コチュビラ,ミリツェワ,(たぶん)カミロワ。


ペレンはよかったと思います。
私のイメージするニキヤとは違いましたが,でもよかった。

登場シーンは「ちがーうっっ」でした。
大神殿の石段をしずしずと下りてきて舞台中央まで歩んでくる見せ場のシーン,「ニキヤとはこういう人だ」を印象付けるあのシーン,あそこでの歩き方が「違う」。
「腰を振りながら」とでもいいたいような品の悪い歩き方で,あれでは「踊り子」であってもまったく「巫女」ではない。神に仕える身の神秘性とか厳かさのようなものが全く感じられあい。

次に,その後のソロでにっこり〜と笑顔で踊っているのを見て,「おいおい」と思いました。(いや,あれは神に捧げる踊りだよね? 色気を振りまく踊りじゃないよね? ね?)

大僧正を拒むシーンを見て,少し認識を改めました。
「巫女」らしいニキヤの皆さんは,得てしてここで「あんたは大僧正より偉いんかい?」になってしまうのですね。ロパートキナ然り。ザハロワ然り。(巫女とは違うかもしれないが)ヴィシニョーワもまた然り。
ペレンにはそれは全くない。かわいらしく困惑し,(好感を持てる程度に)きっぱりと拒絶する。
おお,いいじゃん。

そして,マグダヴィアから「ソロルさんが待ってるって」と聴いた瞬間のわかりやすい演技。「まあ」と手を口に当てて,花のような笑顔になる。そして,弾む足取りで小走りに去っていく。
それは,極端な言い方をすれば「きれいなねーちゃんが,惚れた男からの伝言を聞いた」みたいで・・・「あ,そうか。これがペレンのニキヤ解釈なのか」と,私は大いに納得したのでした。

つまり,神殿とか舞姫とかいうのは単なる周辺事情。「ごく普通の恋する女」としてのニキヤを踊っていたのではないか,と。

その後の,ソロルとの逢引の「♪幸せ♪」も,ガムザッティの威に打たれながらも「でもでも,約束してくれました」と反論する様子も,婚約式前半の憔悴と嘆きの踊りの哀れさも,花かごを手にした瞬間の愛らしい笑顔も,毒蛇に噛まれた後,ソロルが自分の視線を避けるのを見て指先から落ちる薬びんも,そういう女性像のもとに描かれていた印象で,「これはこれでよいよなー」と思えました。

なにより,今までの彼女のニキヤに感じられた「教わったとおりに踊ってるだけなのでは?」とか「なに考えてるのかさっぱりわからん」ではなく,↑に書いたような考察ができる表現だったこと自体が嬉しいですよね〜。

いや,私は別に彼女のファンではないですが,これだけしょっちゅう見ていれば,多少は情が移りますもん。
「おお,成長したな〜」と嬉しく思ったことでした。


ありゃ,時間切れですね。
あとは夜以降に〜。

  

  

本日のキーロフ

マチネ『ナイチンゲール/アポロ』
ドゥムチェンコ,グメローワ,ゴンチャル,コルサコフ

※『ナイチンゲール』はオペラ。ストラヴィンスキーつながりの上演だと思われます。


ソワレ『放浪息子,レベランス,エチュード』
マハリナ,ソーモワ,ファジェーエフ,メルクーリエフ

あらま,ファジェーエフはまだペテルブルクで踊ってますね。日本で2/1に『ドンキ』なのに,大丈夫なのかしらん?

  

  

posted by 槻本 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ

2006年01月26日

本日のキーロフ

『白鳥の湖』 
ヴィシニョーワ/コールプ

  

  

posted by 槻本 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ

2006年01月25日

更新記録とか

リンクのページに,「小鳥のさえずり」さんを追加しました。

こちらのサイトは以前から拝見していて,リンクも張っているような気がしていたのですが・・・先日の「パソコンに寿命が来た」事態のあと,リンクページからお友達サイトを久々に訪問する中で気付きました。
あらま,リンクするの忘れてたわね〜。

というわけで,皆さんにもお勧めいたしますです。
ダンサーの好みは少々違うようですが,「誉めるときは誉めるが,貶すときは貶す。こっちはお金払ってるんだからさー。でも,バレエって面白いよね」路線がウチと似ているような気がします。(そんなこと言われたら,ひなどりさんは不本意かもしれないけどー)


話が全然変わりますが,チケットぴあがアフィリエイトを始めたので,こちらにも参加することにして,→にバナーを貼っておきました。(このサイト経由でチケットが売れると,0.7%の紹介料が入るそうです。今まで提携した中で一番薄利ですなー)
ついでに,マージンはないけどイープラスへのリンクも貼っておきました。楽天チケットもあるから,きわめて小規模ながらチケット購入ポータルサイト。よかったらご利用くださいね〜。

ファルフさんの公演が終わってヒマになったら,ヤフーのオークションとかNBSとか光藍社とか・・・へもリンクしようかと思います。
→が膨張する一方ですが,まとめとけば便利だもんねえ。(いや,自分が)

そういえば,楽天チケットからのお知らせによると,Kバレエ『ジゼル』は今日から優先販売,パリオペは明日(1/26)から優先販売だそうですよ。


また話は変わって,マラーホフの贈り物・出演者・演目変更など
私は行けそうにないので(行けるとしたら1週前の『眠り』かなぁ?)真剣には見ていないのですが,一応お知らせまで。

ボリショイ関係の交代は少々不可解ですね。
ルンキナは忙しくてアレクサンドロワなら空いている・・・というものなのでしょうかね?


最後にまたも別の話。
3月24日に,パリオペの新しいDVDが発売されるらしいです。『若者と死』・『カルメン』というプティ作品。

いずれ→で紹介しますが,とりあえずは,情報源のお友達サイトを2つご紹介しときましょー。(別窓で開きます)
http://jollyballet.blog41.fc2.com/blog-entry-375.html
http://eucharis.main.jp/

  

  

posted by 槻本 at 21:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | ガラ公演など

2006年01月24日

本日のキーロフ

フォーサイス・プロ
『ステップテクスト/アプロクシィメイト・ソナタ/精密の不安定なスリル/イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレベイテッド』

グメローワ,ゴールプ,ゴンチャル,シェシナ,ノヴィコーワ,オブラスツォーワ
メルクリーエフ,イワノフ,ピモノフ,シショフ

  

  

posted by 槻本 at 21:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ

2006年01月23日

マールイ『ラ・シルフィード』1/6(普通の感想・2)

『ラ・シルフィード』の話の続き。

まあ,そういうわけで,見慣れた版とはかなり違うんだなー,と思いました。「演出:E.M.フォン・ローゼン」だそうなので,この辺から来てるんでしょうかね?(この名前,ロシアっぽくないですね。ドイツとか北欧みたい)


グルン(ガーン)の描き方も違うのね。彼は,明らかに敵役で憎まれ役。自己中心的で無神経な役柄。
デンマーク・ロイヤルや新国立の演出だと「夫にするなら,ジェームスよりこっちのほうがよいのでは?」と思ってしまう役なので,あまりのことにびっくりしてしまった。

もしかすると,リャブコフの解釈によるものかもしれませんが・・・たぶん違うんじゃないかな。
というか,ちょっと太めで押し出しの強いキャラクター・ダンサーであるリャブコフをキャスティングするんだから,グルン役は,悪役という位置づけなんだと思います。


今まで書いてきた「見慣れたものとかなり違う」については「ほー」とか「へー」で楽しんだのですが・・・美術,特に衣装の違いについては,ものすごく失望しました。

デンマーク・ロイヤルについては細部は覚えていませんが・・・新国では,1幕の出演者の着ている衣装の柄はみんな違うの。
スコットランドのタータンチェックっていろんな色の組み合わせや太さがあって・・・家紋みたいなものなんですよね。この柄はマッケンジーさん,この柄はマクドナルドさん・・・というふうに決まっている。

で,今日はエフィーとジェームスの結婚式だから,みんな自分の家のタータンチェックで正装して集まってくるわけ。
ジェームスの妹が肩からかけているスカーフの柄はジェームスのキルトと同じ。そして,ジェームスがエフィーに贈るスカーフの柄もジェームスのキルトと同じ。まさに婚約の証。結婚の贈り物。「今日からは僕の家の人になるんだよ」という,そういう意味のある贈り物。

だからこそ,白くてふわふわしてきれいなチュチュを着たシルフが,ただの毛織物のスカーフを,うっとりと羽織ってみたりするのよ。
ジェームスがエフィーの肩を抱いてこのスカーフを着せ掛けるのには,そういう意味があるわけよ。

それなのにさー,マールイの美術ときたら・・・女性コール・ドが数種類のお揃いのタータンの衣装を着ている時点で「?」と思い,ジェームスがエフィーに贈るスカーフが,ジェームスの衣装とは別の柄なのを見た瞬間に「こりゃダメだ」と・・・。

まあ,こういう話は単なる刷り込みかもしれません,たまたまもっと優れた衣装を見たことがあるから文句を言いたくなっただけではあります。
でも,私は,それだけで意気消沈してしまったのでした。

いくらファルフさんが美しく跪いて恭しくスカーフを捧げてもダメなのよ。あのスカーフじゃダメなのよ。オールド・ローズであったかそうなスカーフだけど,あれじゃ意味がないのよぉ。


(また続く)

  

  

本日のキーロフ

アンナ・パヴロワ生誕125年記念公演
『ラ・バヤデール』

ロパートキナ,トカチェンコ,ゼレンスキー

  

  

posted by 槻本 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ

2006年01月22日

マールイ『ラ・シルフィード』1/6(普通の感想)

今回の上演はブルノンヴィル版だということでしたが,新国立で見慣れた振付・演出(デンマーク・ロイヤルからの輸入版)とはけっこう違っていたような。

ジェームスの妹がいないし,一方で「二人の作男」という役があって短いソロ(じゃないな。デュエット? でもないよね? 要するに二人だけが踊っている場面があった)を踊ったりする。
どうも記憶が定かでないのですが,ガーンのソロもなかったような気がするし。(ありましたっけ?)その代わり,二人組が踊ったのかな?

2幕のコール・ドのフォーメーションも一部違っていたような気がします。
例えば,最初のほう,舞台上に横一直線に並んで高低差を見せるフォーメーションは初めて見たような気が。(自信はないが)

それから,ガーンとエフィーは2幕の途中では出てきませんでした。
デンマーク・ロイヤルや新国立だと,ガーンは一生懸命ジェームスを探して,彼の帽子を見つけるが,マッジの示唆でそれを隠してエフィーにプロポーズする・・・というくだりがあるのですが,あれがなかったです。(なかったよね? ね? なんか日が経ったから記憶が・・・)


ほかにも,細かいところになると,演出なのかダンサーの演技なのか判然としないのですが,かなり違うところがありました。

たとえばねー,ジェームスがシルフの魔力で後ろ向きに引っ張られて,でも踏みとどまる・・・という動きの繰り返しがなかった。
(これについては「なかった」と,ほぼ確信。だって,あれをファルフさんがやったら,ファンは皆で「きゃあああ」になるよね。誰も反応していないところを見ると,なかったに違いない)
シェスタコワのシルフには「魔物」感がなかったんだけど,ロシアではそうなのかもね。だから,魔力を使うシーンもなかったのかも〜。

それから,1幕の最後のほうで,ジェームスがシルフと森に向かうところ。
新国だと「ええいっ,ままよ」くらいの踏ん切りを持って扉から走り去っていくのに,今回は,なんか「そうだね。ちょっと森に行ってみようか」みたいな感じでシルフの後から唯々諾々と舞台から消えていく。

これだとジェームスはかっこよく見えないけれど,演出としてはいいのかも。
新国みたいに去っていくと,この時点でジェームスはエフィーを捨ててシルフを選んでいるように見える。それは「シルフとの純愛」にはつながるんだろうけど,最後にエフィーとガーンの結婚式見てショック受けるのが「おいおい」になっちゃう。
マールイの演出のほうが,「シルフと楽しく遊んでただけなのに,こんなふうになっちゃったよぉ(泣)」という,ジェームスのアホさ(←純粋さ,とも)にはふさわしいかも〜。


唐突ですが,時間切れ。今日はこれで終わりますね。

  

  

本日のキーロフ

マチネ『ドン・キホーテ』
ノヴィコーワ/サラファーノフ

  

  

posted by 槻本 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ

2006年01月21日

新国立来シーズンの予定

昨日は飲みにいっていたので話題に乗り遅れましたが・・・一応感想など。
オフィシャルにも載ってますし,新国ファンサイトさんでも見られます。



シーズン通しての初日が寺島/山本という劇場のダンサー主演であるのは,実にすばらしいことだと思いますです。
(単に,ザハロワのスケジュールの都合ではないか? という疑いは捨て切れないが)

2 
『ライモンダ』にチェルネンコが主演するというのには唖然。
去年ガラ公演で2回見ましたが・・・容姿はすばらしいですけれど,踊りは「これからに期待」ですよね。
バレエ団の「これからに期待」の方なら主演しても全然差し支えありませんが,よその「これからに期待」の方を呼ぶっていったい・・・??? 例えば厚木さんのほうが,ずっとよいと思うんですけどー???

「あなたは素直な方なんだと思いますよ。でもね,大成するにはもうちょっと賢くなったほうがいいんじゃないかしら? ガラ公演じゃないんですから,たとえそういうオファーがあったとしても,公演の性質や自分の立場も考えたほうが,長い目で見れば得ということもあるでしょう? たぶん,あなたのファンの皆さんも心配していらっしゃると思いますよ。」とかなんとかデニスくんに説教したいですな。


ザハロワ/ウヴァーロフに関しては,まあ,よいのではないでしょーか。
「またですかいな」とは思いますが,「わーい,また見られる〜」の方も多いでしょう。「?」なゲストよりはよっぽどマシだし,チケットも売れますもんね。(私は見にいかないとは思うが,それは人選のせいではなく,そもそもゲストに気乗り薄なだけだ) 

もしかすると,新国の偉い人の中に,ザハロワのファンがいるのかもしれませんねー。なんちゃって。

4 
その他のゲストについては,まあ,適任者ですよね。
テューズリーの名前がないのが意外であった。なんちゃって。

あ,そうだ。話が全然それますが,牧の3月公演『ア・ビアント』での吉田さんのパートナーはテューズリーらしいですね。(情報源:Bunkamura のこちらのページ


『白鳥』の美術が変わるらしくて,たいへん嬉しいです〜。

6 
川村さん,中村さん,初主役おめでとー。(川村さんは『白鳥』のほうが似合いそうだとは思うけど,おっとりしたお嬢様風だから,オーロラもよいでしょうね〜)
宮内さんの全幕復帰も嬉しいニュースですよね。
『シンデレラ』見にいけるかな? 牧の『くるみ』と重ならないといいけど。


ウォルシュに新作を依頼するというのは,牧さんの人脈の狭さというかなんというか。
いや,別に悪いと言っているわけではないですが(よいか悪いか判断する知識がない),ウォルシュの振付作品見た上で頼んだのかどうか,ふと不安に思ったりもします。(失礼ですみませんです)

ちなみに,ウォルシュが主宰するカンパニーのサイトはこちら。(別窓で開きます)
http://www.dwdt.org/

話がそれますが,『こうもり』のウルリックのキャストってまだ出てないじゃないですか。これもウォルシュかもしれませんねー。なんちゃって。(←今日は「なんちゃって」が多いねえ)


プティ版『コッペリア』というのはよいですね〜。
私はそんなに好きじゃないけど,普通の『コッペリア』をレパートリーに入れるよりずっとよいと思います〜。(いや,普通の『コッペリア』もあんまり好きじゃないんだよね)
これは,牧さんの人脈のおかげで,まことに結構なことです。

なにより,「コッペリウスは小嶋さんかも〜♪」なのですね,私にとっては。
期待しすぎないように注意しながら,少し期待しておきましょー。

  

  

posted by 槻本 at 22:39 | Comment(6) | TrackBack(0) | 新国立劇場バレエ団

マールイ『ラ・シルフィード』1/6(ルジマトフビュー)

最初に【ご注意】
決してルジマトフを誉めておりません。
(読まないで引き返せるよう,↓を長めに空けときますね)


















えーとですね・・・ルジマトフはミスキャストだったと思います。

ミスキャストの理由1
立居振舞が美しすぎる。スターオーラを放ちすぎる。おまけに若くない。
その結果,どう見たって田舎の青年ではなく,どこかの王侯貴族が紛れ込んでいるようにしか見えない。

この点は予想以上に違和感がありました。いつも客演しているマールイの舞台で,あそこまで浮いてしまうとは思わなかったなー。


ミスキャストの理由2
雰囲気がシリアスすぎる。

目覚めてシルフを見て彼女をつかまえようとするのにひらひらと逃げられるシーンは,オデットと出会ったときのジークフリートのようでした。エフィーたちと踊っている最中に現れたシルフを求めて虚空を見ている様子は,ウイリーとなったジゼルを求めるアルブレヒトのようでした。
マッジからスカーフを得てそれを美しく掲げ持ってポーズを取るシーンに至っては・・・人類を破滅の道から救う唯一最後の手段を入手したかのような荘重さ。

これに関しては,ほぼ予想通りでしたね。


ミスキャストの理由3
振り付けが彼に向いていない。

彼はね,空中で忙しく脚を動かす動きはさほどじゃないんですよ。これは,不調とか年齢的な問題ではないと思います。(それも多少はあったかもしれないけれど) 彼の身上は,音を遅めにとって十分にタメを見せてから大きく美しく動くところなの。アレグロ向きじゃないの。
皆さんだって,それはわかるでしょ? 「軽やか」なんて形容詞はファルフ・ルジマトフには似合わないでしょ?

で,えーと,これについては,予想よりはよかったです。
ただ,「よし。やったる」感が見えて・・・うーん,たいへん失礼だとは思いますが,私には痛々しく見えました。ジェームスの踊りというのは,「らんらん♪」という感じでスキップの延長線上に見えないといけないのでは?


というふうに,「似合わねーなー」の極致ではあったのですが(似合っていたのはキルトだけであった)・・・だから彼のジェームスを見ないほうがよかったか? ということになれば,これは全く別の話。
いや,ほんと,見られてよかったですよ〜。

だって,似合わないからこそかわいいんだもん♪
全編あちこちに出てくる「合わない役を務める」様子がかわいいのなんのって。

ガーンがシルフを目にした直後にシルフを布で隠して,その布の端を押さえながら「なんのことかな〜? 僕はたまたまこうやって立っているだけだよ〜」というフリをするところの違和感♪

なんだって,こんなにフォークダンス(?)が似合わないのかしら〜? 
特に,村人みんなで円陣を作って踊るシーンに参加するときに,周りと同じことをすればするほど「全然違う」ように見えるのって驚異的だわ〜♪

幕開きのシーンでうたた寝している設定なのに,殺気出まくりで眠っているようには全く見えないのってどう? なんでこんなに峻厳そうに見えるわけ??

『ラ・シル』ってアホくさい物語だよねー。その最後に,あんなにもドラマチックに苦悩と悔恨を見せるなんて。あーもー,もったいなくてもったいなくて♪


ほかにも,「やっだー」という違和感溢れるシーンがたくさん。
珍しいものがたくさん見られて,楽しかったな〜。

とはいえ,これはファンだから楽しめた・・・という話であって,別にルジマトフのファンではなく,単によい『ラ・シルフィード』の舞台を期待していた,という方には,「???」なジェームスだっただろうと思います。(というより・・・これがルジマトフでなかったら,私は盛大に悪口を言うであろうなぁ)


今のルジマトフがわざわざこの作品に主演した以上,なにか表現したいことがあったのだろうとは思います。

例えば・・・現実と理想の相克,理想を追求する人間が現実に押しつぶされた悲劇・・・とか? いや,逆に,現実を忘れて夢を追うことの空しさとか? (エフィーは現実を,シルフは理想を表しているわけ)
それとも,「出会ってしまえば惹かれるしかない。周りを不幸にし,自分たちも破滅の道へと突き進む」運命の恋人たちの物語?   

まさか「そういや日本ではまだ『ラ・シル』全幕踊ったことなかったな」とか「日本のファンの皆さんにキルト姿を見せてあげよう」ではないと思うんだよね。(もちろん,「お年寄りを大切にしよう」と言いたかったわけでもないであろう)

と,いろいろ考えるわけですが・・・うーむ,いずれにせよ,あの『ラ・シルフィード』というバレエの中でそういう「なにか」を表現しようとしたのは無謀であったのではないでしょうかねえ。
そういうことを試みるには,あの作品はのどかすぎて話に破綻が多すぎる(あるいは,余計な要素が多すぎる)というのが私の意見です。(マッジの行動が不可解だし,指輪も余計だし,ジェームスの行動も破綻してるし)


『ラ・シルフィード』は愛すべきバレエですが,その魅力は,1幕のスコットランド風フォークダンスやシルフの無邪気な愛らしさやジェームスの足捌きの見事さにあるのであって,物語のドラマ性にあるのではない,と思います。
少なくとも,私にとってはそう。

ルジマトフは「なにを踊ってもドラマを作る」稀有なダンサーですが,だからこそ,このバレエの魅力をぶち壊していた・・・ような気が。(ごめんねー)

まあ,そういうわけで,今回の『ラ・シルフィード』は,私にとっては「いやー,ファルフさんが全然似合ってなくてさー,面白かったのなんのって♪」という公演だったのでありました。(ますますごめんねー)

  

  

posted by 槻本 at 14:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ファルフ・ルジマトフ

2006年01月20日

本日のキーロフ

『放蕩息子/レベランス/エチュード』

グメローワ,テリョーシキナ,コンダウローワ,イワノフ,ロブヒン,シュクリャーロフ

  

  

posted by 槻本 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ
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