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2010年05月22日

マラーホフの贈り物Bプロ

見たことのない作品が多くて楽しかったですが,もうちょっとバレエな雰囲気の,あるいはロマンチックとかドラマチックとかの雰囲気の衣裳で踊る作品が多いともっと嬉しかったかも。

とにかくですねー,おっそろしく衣裳の露出度が高いプログラム構成でありました。
最初の『カラヴァッジオ』1幕パ・ド・ドゥが板付きのマラーホフの半裸で始まったときは,「のっけからサービスいいなぁ♪」気分だったのですが,その後の作品も「衣裳は最小限」系が多く。

なにせ唯一の古典が『ディアナとアクティオン』だし,ロメオだって薄いブラウス1枚だし,残りの現代モノは,基本的に上半身は裸。レオタード姿だった『ファンファーレLX』が一番肉体を隠していた感じ?

マラーホフも,ソロルのときはもちろん着込んでいましたが,それだって,王子役に比べれば・・・ですし,1幕最後にサービスしてくれた『瀕死』も最後の『ラクリモーサ』も半裸。(必然的にフィナーレも)

西洋人男性ダンサーの肉体美というものも,これくらい続くと有り難味が失われてしまうのだなー,もったいないことだなー,と慨嘆したことでした。

それはそれとして,半裸の男性の群れの中,マラーホフの佇まいの美しさはやはり際だっておりました。(すばらしい♪)


他のダンサーでは,シュツットガルトのアイシュヴァルトに「別格」感がありました。アクロバティックなコンテンポラリー・パ・ド・ドゥと可憐なジュリエットと,全然傾向の違う2作品をそれぞれ見事に表現。
レンスキーで見たときは「いったいどこがいいのだ???」だったラドメイカーも,今日はよかったです。特に、髪を固めてマッチョな肉体を誇示した『モノ・リサ』が面白かったし,かっこよくもありました。

ベルリンのダンサーの中では,クノッブとカブレラ。2人とも,現代作品がよかったです。
カブレラは柔軟性,特にしなやかな脚の表情に引き込まれました。

クノッブは,長身なのに全身にコントロールが行き届き,その結果身体全体から陰影が生まれ,それがドラマにつながる・・・という印象。(同じ『カラヴァッジオ』からのパ・ド・ドゥを踊るときの身体の雄弁さが,セミオノワとは段違いに思われました)


『バヤデルカ』影の王国でのマラーホフのサポートと表現は,たいそう見事でした。
大柄なセミオノワをリフトから下ろすときの絹のような柔らかさ。手をとるときの壊れ物を扱うかのような繊細さ。随所で見せる上半身を反らしたポーズはソロルのニキヤへの想いの表出。

そして,コーダでの男性パートは省略されており,そのことに少し気落ちしました。
1回の公演で4作品も踊る座長に,それも40歳を超えたダンサーに,そのことをもって文句を言うのは理不尽だとは思うのですが・・・でも(ほかの作品で見られなかっただけに)ソロルのマネージュを見たかったし,それ以上に,そのパートを回避するという事実は少しショックでしたから。

埋め合わせは,フィナーレの最後に見せてもらいました。
男性2人がジュテで舞台を斜めに横切り,残る2人がグラン・ピルエット。続いてサレンコの7〜8回転の後,女性ダンサーたちが次々とピケを見せて・・・最後に上手奥から登場したマラーホフの下手前までの高速ジュテ。最後は,かつて『ナルシス』で見せたような形で,袖に引っ込んでいきました。


本日は以上。
明日以降,詳細に感想を書きたいですが,最近の状況からするとあやしですよねえ。
ま,一応努力する,ということで。

  

  

2010年05月18日

条件変更しました。 →牧阿佐美バレエ団『眠れる森の美女』のチケットをお譲りします。

無事決定。お騒がせしました。

とてもよいお席だと思いますよん。

牧阿佐美バレエ団『眠りの森の美女』

5月22日(土)17:00開演 1階7列20番台
出演:伊藤友季子/京當侑一籠/田中祐子

S席 定価は1万円ですが,条件はご相談の上で。
「2千円なら買いたい」方も「是非見たいので8千円出す」方も,希望価格ご記入の上,まずはご連絡ください。

お譲りする方が決まり次第,チケットを送付します。(送料は当方負担。発送方法はお任せください)
お支払いは,チケットが到着した後に。(振り込み手数料はご負担くさだい)

手渡しをご希望の場合:
東京文化会館にて当日15時開演「マラーホフのすべて」を見にいきますので,その直前に上野付近であれば対応可能です。

ご連絡をお待ちしています。
tsukimoto@personal.email.ne.jp

  

  

posted by 槻本 at 22:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本日のキーロフ

2010年05月16日

MRB松田敏子リラクゼーションバレエ 第11回発表会

楽しんできました。

『ライモンダ』はとってもよかったですよん。
(松田敏子/小嶋直也)

コール・ドは付きませんでしたが、ジャン・ド・ブリエンヌの配下? の男性2人がいて、法村圭緒さんと中家正博さん。(中家さんはMRBの所属ですが、法村友井バレエ学校出身でワガノワ留学もしていますから、法村さんのお弟子さんみたいな感じなのかも?)

舞台が明るくなると、左右袖近くに法村さんと中家さんが立ってポース。
しばしの後、おもむろに松田/小嶋が登場して中央奥でポーズ。踊り始めたところで左右の2人ははけていきました。

で、アダージオが始まったわけですが・・・うん、すてきでした。
松田/小嶋で見せてもらったアダージオの中では、今日が一番よかった気がするなぁ。

松田さんは小柄だしほっそりしているのですが(特に脚! あんなに脚が細くてまっすぐなバレリーナってほかに見たことない。筋肉あるのか疑問なくらい細いが、あれだけ踊れるんだから当然あるんだよねえ)、貫禄は十分。
「威は辺りを払う」という感じ?

小嶋さんはサポートに徹していましたが、こちらも存在感は格別ですし、それに加えて結婚式らしいにこやかさ。
なんか幸せそうで、見ていて嬉しくなってしまった。

見ながら思ったのですが、松田さんも小嶋さんと同じく、ドゥミキャラ入ったプリンシパルのタイプなのかもしれないですねえ。
年齢的にベテランということもあるかもしれないけれど、ふわふわしたお姫様より、個性が必要なこういうタイプの踊りのほうが魅力的みたい。

パートナーシップもよかったです。
小嶋さんに関しては、普段パ・ド・ドゥ踊ってないから上半身の筋肉落ちてるんじゃ? と疑いたいリフトもありましたが、それでミスしたわけではないし、バランス系のサポートなんかは「やっぱり息が合うのね」な感じもあり。

衣装は、白基調に金という感じで揃えてありました。
小嶋さんのあの衣装は初めて見ましたが・・・金の刺繍の模様が、「そう思ってみれば十字軍風」でありました。


続いて、法村さんのヴァリエーション。
普通はジャンが踊る音楽と振付だったと思います。
とてもよかった。・・・というか、そこまでに出たプロの男性2人に比べて「やっぱ違うわ」と思ってしまう踊り。バレエ的エレガンスが違う気がしました。

中庭さんのヴァリエーション。
『ライモンダ』なのは間違いない音楽なのですが(←当たり前)、普通はどの踊りに使われるのだったか?
踊りはよかったです。最近の若手にしてはプロポーションに恵まれない感じですが、端正でした。


小嶋さんのヴァリエーション。
これも、普通はどの踊りに使われる音楽だったか不明。

前半は、この作品ならではの「片手は頭の後ろ、もう一方の手は腰」というポーズが随所に出てくる振付で、手を打つ動きまで1回見せてもらって、大いに堪能しました。
特に下手から上手に水平移動しながらトゥール・ザン・レールして着地するなり身体をぐっと反らして見せたポーズがそれはもう♪(きゃああ)

で、後半はマネージュだったのですが、美しくてびっくりしました。
って、今さら驚くのもどうかとは思いますが、でも、浮遊感とかクリアな感じとかが格別で・・・直前に法村さんを見て「違う」と思ったのですが、小嶋さんはそれと比べても「全然違う」のでした。

なんかねえ・・・「やっぱこの人こそが、世界一美しく跳躍するダンサーなんじゃ?」と久々に思いましたよ。


松田さんのヴァリエーション。
威厳があって、手を打ち鳴らす音がくっきりと響いて、音楽の哀切な感じも表現されていて、魅力的でした。
パ・ド・ドゥだけなのに、アブデラーマンとの件があっての結婚式だ・・・という風情を感じ取れそうな?


コーダは、法村・中庭が少しずつ踊って次に松田さん。その後小嶋さんが登場して、「片手を頭に、後ろ向きに片膝を曲げて跳躍」という、この作品独特の跳躍(名前知ってる方は教えてください〜)を3連発だったかな? これもきれいで、見惚れました。
最後は、2人でポーズになるのですが、その直前の見得切りの派手さと最後の嬉しげな笑顔。王子役のときは絶対やらないケレン味ですし、バジルのときはこんなに笑わないよねえ。


結論:
「大阪まで見にきてよかったわ〜。見逃さなくてよかったわ〜」と思いました。(るん)

  

  

posted by 槻本 at 22:16 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小嶋直也

2010年05月05日

ブルメイステル版『エスメラルダ』についての詳細メモ

感想ではなく,記録として書きました。
日本での上演は初めてということですので,なるべく詳細な記録となるよう,自分の記憶に加えて,主催者提供のダイジェスト版動画を見たり,よそさまのブログを読んで「そういやこんなんあったな」も加えております。
とはいえ,初見のバレエについて逐一記憶できるものではなく,間違いもあるかもしれません。その点は悪しからず〜。


*********************

前幕は、ノートルダム寺院の鐘楼からの眺め。中央にはセーヌ河を見下ろし、左右にはガーゴイル(魔物)の石像。
(この幕は,プロローグ前の前奏曲のときに見たように思うが,もしかすると,プロローグと1幕の間だったか? それとも両方?)

幕が開きプロローグ。
幼い娘(子役)を抱き、力尽きそうな様子のグドゥラが上手から登場。下手寄りでついに倒れる。
ジプシー数人登場。グドゥラが死んだと思い込みんだ様子。娘を抱き上げ,死者を悼みつつ去る。

意識を取り戻したグドゥラは娘を求めて烈しいソロを踊る。惑乱と怒りと絶望の踊り。最後に,娘の足から脱げて落ちていた赤い靴の片方に気付き,拾い上げ,大切そうにそれを握り締めながら崩れ落ちる。

1幕
パリの下町。茶色基調の衣裳での群集の踊りがエネルギッシュに繰り広げられる。
リーダー格の男3人(衣裳の色合いは周りと似ているが,宮廷の道化のような形の帽子。キャスト表の「王」だと思うが,もしかすると「道化」か?)が中心でテクニシャンな大技など披露。その後,別の3人(赤・青・黄など原色を使ったピエロ風の衣裳と帽子。たぶん「道化」であろうが,もしかすると「王」?)が登場。馬跳びしたり,テクニック披露の踊りを見せたり。

カジモド登場。異相を強調したメイク,背中の瘤は詰め物で。
人々は祭りの「王」にカジモドを選ぶ。赤い帽子とマント,手には杖を持つ彼を輿に乗せて練り歩くが,クロード・フロロが登場し,カジモドを叱りつけ,上手に去る。慌てて従うカジモド。
フロロは胸に十字が浮き出す黒い長衣。頭頂を丸く剃っているのがいかにも中世僧職者。この場面では,さらにマントをかぶっていた。

舞台には,赤い衣裳のジプシーの女たちが登場。ソリスト1人+7人(8人だったかも?) キャラクターシューズでの踊り。ソリストは,上体の柔らかさを見せる。
めまぐるしくフォーメーションを変えながらの踊りの後,緑がかったブルーの衣裳のエスメラルダが上手から舞台に跳びこんできて,タンバリンを手に華やかに踊る。衣裳の胴の脇に花柄が染め出されているのがカワイイ。周りも拍手して大いに盛り上がる。
踊り終えたエスメラルダが,タンバリンで小銭を受けているところに,灰色の衣裳でさまよい歩くグドゥラが現れるが,互いに親子と気付くわけもなく。

エスメラルダに魅了されたフロロは,カジモドに彼女をさらってくるよう命じる。
群集が舞台から去り1人残ったエスメラルダを抱き上げ,背後の寺院に運ぼうとするカジモド。エスメラルダが手足を烈しく動かして抵抗するところに,フェビュスと配下の兵士5人が登場し,彼女を救う。
フェビュスの衣裳は,上半身は渋い金色から黒い袖が覘いていて,たぶん鎧を表しているのだと思う。金のマント。黄色いタイツの上に金の膝上までのブーツ。このブーツが安っぽく輝いていて,二枚目台無しというか何というか。

カジモドは上手奥で兵士達に囲まれ,舞台中央ではエスメラルダとフェビュスが踊る。エスメラルダの恥じらう仕草が印象的。初対面だけあってリフトはなく,サポートのみの振付。耳に親しい音楽だが,何の曲だったか・・・。
2人の踊りが終わるころ,上手のダンサーたちにも動きが。カジモドは逃れようと暴れるが,取り押さえられる。エスメラルダは身をもって彼をかばい,釈放するようフェビュスに懇願する。願いを受け入れたフェビュスは兵士たちと去り,残った2人の場。
自分をさらおうとした男をかばったエスメラルダではあるが,カジモドの醜い姿を正視することはできない。彼の感謝の意に応えようとはするのだが,野獣めいた姿を目の当たりにすると,恐怖を抑えることができず,逃げるように去っていく。とり残されたカジモドの悲嘆。


2幕1場。フルール・ド・リスとフェビュスの婚約式
ノートルダム寺院のいわゆる「薔薇窓」を描いた前幕が開くと,お屋敷の中庭風の装置の中で,ロマンティック・チュチュ型・パステルカラーの衣裳の娘たち5人が踊っている。中央,純白の衣裳がフルール・ド・リス。

フェビュスが配下の将校2人とともに現れる。「実践モードではないが軍服が正装」ということだろうか,フェビュスの衣裳は部下と共通するデザイン。上半身は黒でタイツは黄色。(またかよ。将校のタイツはグレーなのになぁ)
フルール・ド・リスの両親を始めとする貴族たちも登場。祝宴が始まる。

最初は,パープルの衣裳の友人(おそらく「ジェンジェーリ」と表記されている役)がコール・ド6人とともに踊る。
続いて女性ヴァリエーションが3つ続く。第1ヴァリはイエローの衣裳。跳躍多用の踊り。第2ヴァリは,『シルヴィア』の女性ヴァリの音楽。衣裳はブルー。第3ヴァリはピンクのチュチュ。
たしかこの後に,2人の将校によるヴァリ。音楽は聴き覚えがあって・・・『人形の精』か?

続いて婚約者2人のパ・ド・ドゥ。(舞台上は2人だけになったと思う) 周囲が消える前,2人が寄り添っているときの音楽に『バヤデルカ』を思わせるところがあり,ミハイロフスキーのボヤルチコフ復元版同様に「奴隷のパ・ド・ドゥ」の曲が始まるかと思ったが違う音楽だった。
アダージオは「親の決めた許婚者どうし」的礼儀正しさではあるが,幸福感・高揚感あり。けっこう難しそうなリフト(プティパではあり得ない感じの)リフトも。続いて女性ヴァリ,男性ヴァリと進み,グラン・パ・ド・ドゥ形式を踏襲かと思ったところで,わらわらと両親やら客やらが再登場し舞台上を埋め尽くす。
めでたく婚約が調ったところで,2人がそれぞれ踊ったり(イタリアンフェッテあり),将校や友人たちが加わったり,大団円の雰囲気に。ちょっと変わった形だが,コーダと考えるべきであろう。(『バヤデルカ』婚約式パ・ド・ドゥのコーダと共通する感じあり)

華やかに盛り上がった余韻のうちに一同は上手に去る。そこへ,フェビュスの配下の兵士が現れ,何事かを報告。隊長は,快く許可し,下手からジプシーの娘たち5人が登場する。余興に招いていたという設定なのか? めでたい日だからジプシーたちにも温情を,ということなのか? それとも,エスメラルダがいると知ってのことなのか?

1幕と同じ赤い衣裳のジプシーたち5人の踊りの後,エスメラルダ登場。(もしかすると一緒に登場したが踊らずにいたのだったか?)デザインは1幕と共通するが,カラーは鮮やかなイエローの衣裳。これもカワイイなー。

上手からはフェビュスが登場,2人は見詰めあい,踊り出す。たぶん,『エスメラルダ』グラン・パ・ド・ドゥのアダージオの音楽だが,振付は異なる。リフトはなかったような気が。躊躇いつつ惹かれていくエスメラルダの揺れる心情と獲物に挑みかかるかのようなフェビュスの態度を描く感じ。
踊り終えた2人の間に,ジプシーのソリストが割って入り,エスメラルダを背後に庇ってフェビュスの接近を妨げようとする。しかし,エスメラルダの恋心は抑えがたく,恩人の脇をすり抜けて舞台中央に。ランバリンを手にしたヴァリアシオン。跳躍が弾む心を表すような振付。(有名なタンバリンを全身で鳴らす踊りとは音楽も違う) 周りではジプシーたちも踊っていたような気が。

この踊りの後もジプシーたちはなんとか2人の間を裂こうと努めるが,効果はなく,2人は踊り始める。踊りが(=2人の恋が)段々と盛り上がる中,上手からジェンジェーリが登場,2人の様子に驚き,そそくさと立ち去る。彼女の報せによって,上手から貴族たち,友人たちが次々と登場するが,フェビュスは全く意に介さず,エスメラルダと踊り続ける。音楽が盛り上がり,振付も高いリフトなどで最高潮になる中,婚約者の両親が舞台に現れ,続いてフルール・ド・リス本人も。

婚約者の非行に衝撃を受けたリスは踵を返して舞台から去る。そこに,3人の「王」を始めとする民衆たちが現れ,混乱の中でエスメラルダやシプシーたちを救い出す。(この辺り,段取りが少々「?」であった。私には,リスの父はエスメラルダたちを追い出そうとしていたように見えたのだが,捕らえられそうになったから「王」たちが現れたという設定なのであろうなぁ)
フェビュスはエスメラルダを追う気振りも見せない。義父に対して臆面もなく肩を竦めてみせる始末。


再び薔薇窓の前幕が下りて舞台転換となり,2場は酒場。
暗い照明の中,前の場までと同じ衣裳のジプシーのソリストが踊る。(この場のみトウシューズ) 各テーブルには「王」たちを含めて数人ずつの客。道化もいたような気が。奥のテーブルにはフロロとカジモドの姿も。

フェビュスと将校たちも現れる。フェビュスは今度はジプシーにも手を出そうと? あるいは,エスメラルダの姉貴分を懐柔して彼女との仲をとりもってもらおうというのか? な振舞い。
のところにエスメラルダも現れる。この後の展開は記憶イマイチあやふや(ソロを踊ったような踊らなかったような。フェビュスと踊ったような踊らなかったような)。衣裳は1場と同じイエロー。
2人はともに上手へと去り,フロロも跡をつけるように去る。


3幕へと再び場面転換(たしか,薔薇窓あり)が行われると,そこは酒場の奥の別室? それとも,もしかすると寺院の礼拝堂? 寄り添ったエスメラルダとフェビュスが下手から現れる。
2人の踊りは,熱い雰囲気ともいえるが,フェビュスの肉欲が強調されているような感もある。踊り終えたフェビュスはエスメラルダの胸にむしゃぶりつき,傍らの硬そうな長椅子に彼女を横たえる。(というより,押し倒す?)

その時,下手から現れたフロロがフェビュスを背後から刺す。フロロはナイフを落とし(というより,置いた?),窓を開けて逃げ去る。カジモドが現れ,倒れたフェビュスと床の上のナイフを見つける。フロロのナイフだと気付いた彼は,恩人をかばうためナイフを懐に隠す。
物音に気付いたのか,将校も駆けつけ,兵たちに命じてフェビュスの死体を運び出し,エスメラルダを捕らえる。


3幕1場
地下牢でうずくまるエスメラルダのもとに,フロロが現れ,生命を救う見返りに自分の愛を受け入れるよう迫る。僧侶にあるまじき申し出に恐怖にかられるエスメラルダ。さらにフロロは自らがフェビュスを刺したことを告白し,彼女への思いの強さを訴える。恋人を殺した男と知っては,気持ちを受け入れられるはずもない。女は決然として男の申し出を拒む。男は悄然として立ち去るが,去り際に牢の扉で立ち止まり,女を見下ろしながら,処刑の日が目前であることを告げる。フロロが目の前から消えると,力尽きたエスメラルダは絶望の中で粗末な寝床に崩れ落ちる。
(というふうに私には見えたが,「エスメラルダがフロロを拒んだ」という大筋以外は,人によって受ける印象は違うかも)

この場面,フロロがエスメラルダに迫る情景にリフトを多用し,逃れようとするエスメラルダも高速でシェネするなど,バレエの技を効果的に使った振付であった。
エスメラルダの衣裳は上半身は薄めのイエローでスカートは薄めのモスグリーン。2幕の衣裳を着たまま幽閉が続いており,服も色褪せてきたという設定であろう。


薔薇窓で舞台転換。2場は,ノートルダム寺院の前の広場。下手寄りには処刑台。舞台中央上手寄りにフロロがいる。貴族,刑吏,兵士たちの背後には群衆。下手奥にはフルール・ド・リスの友人の令嬢たちまで立ち並ぶ。

粗末な灰色の貫衣姿,胸から何か赤いものを覗かせて,エスメラルダが上手からのろのろと連行されてくる。すべての希望を失った彼女の動きは人間らしい感情を失ったかのよう。居並ぶ人々の中に黒い僧衣を見出しすがろうとするが,何の反応もしないその人がフロロであることに気付き,激しく後ずさる。

その時,下手から婚約者とともにフェビュスが現れる。(なんと! 生きていたのか!!!) エスメラルダは吸い寄せられるように近づき,フルール・ド・リスは彼女から身体を背ける。エスメラルダは静かに,切々と踊りだす。恋人に訴えかけるような,幸福だった想い出を再現するような雰囲気の踊り。音楽は出会いの場の再現。振付もそうだったのかも。
万感の想いを胸に恋人を見詰めるエスメラルダと全く感情を表さずに彼女を見詰めるフェビュス。しばしの後,フェビュスは平然と彼女から視線を外し,婚約者と腕を組んで上手に去っていく。

突然カジモドが現れ,虚ろな表情で崩れ落ちたエスメラルダを抱え上げると,兵士たちを退けてノートルダム寺院へと逃げ込む。「王」たちも現れて,スリング(? 長い紐の先に大きな石を結び付けた武器)を振り回して加勢する。
しばしの混乱の後音楽が止むと,寺院の扉を開け,意識のないエスメラルダを抱き上げたフロロが姿を現す。厳かに歩みを進めた彼は,躊躇いもせず,エスメラルダを刑吏の腕の中へと投げ渡す。

群集の中から,グドゥラが姿を現し,エスメラルダが懐から落とした赤い子ども靴の片方に目を止める。拾い上げ,自分が大事にしてきたもう片方と合わせてみる。間違いない。この娘こそが,長年探し求めてきた我が子。
母子は固く抱き合うが,エスメラルダを待つ運命が変わるわけではない。グドュラは周囲に助けを求め,目に入った高位の僧職者,即ちフロロに慈悲を乞う。群集やジプシーたちもともに訴えかけるが,フロロからの反応はない。かりにフロロが救いたいと思ったところでそれが可能な時期は過ぎているということであろう,市長(判事? もしかするとフルール・ド・リスの父?)は当然の事のように処刑を命じる。

グドゥラは衝撃で倒れ,死に至る。母を失ったエスメラルダは呆然自失。人形のように,兵士たちに処刑場へと運ばれていく。
刑場は下手階段を上った奥という設定で,処刑シーンを観客が見ることはない。舞台上の人々が皆その方向を見て,その瞬間にそれぞれの反応を見せることにより表現する。
(フロロに殴り倒されていたのがやっと意識を取り戻したとかであろうか?)処刑の直後,人々がストップモーションになってでいる中,寺院からカジモドが登場。事態を知り,悲嘆に暮れて,場面転換。


ここでも前幕が登場するが,薔薇窓ではなく冒頭と同じもの。ノートルダム寺院の鐘楼からセーヌを見下ろす構図。
そして,幕が上がると同じ情景が,ガーゴイルや欄干を含めて再現されている。(おお!)
舞台中央にうずくまるカジモド。物音に気付き身を隠したところにフロロが現れ,天を仰いで自らの所為を悔い,嘆く。現れたカジモドに下がるよう高圧的に命じるが,カジモドはナイフを示してフロロの犯罪を知っていることを告げ,さらに彼に襲いかかる。短い争いの後,カジモドは塔からフロロを突き落とす。エスメラルダの復讐が遂げた彼が,悲痛な雄たけびをあげたところで幕が閉まる。

*********************


それにしてもフェビュスが生き延びていたのには仰天しましたわ。
プティ版では間違いなく死んだ様子だったのですが・・・原作を読んで確認したほうがよいかも・・・ま,そういう疑問をさておけば,3幕でフェビュスが登場してのシーンはものすごく印象的でした。

反省のカケラもないアルブレヒトというのか,後悔という単語を知らないソロルというのか・・・これくらい徹底していると,エスメラルダの哀れさが際立って実に効果的ではありますねえ。

とはいえ,フェビュスの行動にはなんとも理解できないものが・・・。
ジプシー娘に手を出したせいで瀕死の重傷を負う破目になったという経緯を踏まえれば,(彼にとっては,凶事の原因者である)エスメラルダを避けて「婚約者大事」の態度に出るのはわかる。

しかし,エスメラルダは,まさに処刑される寸前なわけです。
被害者である彼にとっては,犯人は(誰だかわからないが,背後から忍び寄った)別人であるのは自明のこと。彼が意識を失う直前まで,彼に抱かれるために,弾む息遣いで横たわっていた可憐なジプシー娘が無実なのはわかりきったこと。

エスメラルダの想いに応えるかどうかという個人的な話は別として,「彼女は自分を刺した犯人ではない」という証言はするというのが,警備隊長という職責にふさわしい行動というものではないでしょうかねえ??

  

  

2010年05月02日

MRB発表会(小嶋直也出演情報)

出演するのだろうとは思っていたのですが,イマイチ判然としないので,問い合わせてみました。

MRB 第11回発表会
(バレエコンサート&『クルミ割り人形』)

2010年5月16日(日) 新大阪メルパルクホール
開場15:30   開演16:00
入場無料(自由席)


小嶋さんは,バレエコンサートで『ライモンダ』グラン・パ・ド・ドゥを踊るそうです。(パートナーは松田さん)
それから,『くるみ』(2幕だけらしい)のドロッセルマイヤー役とのこと。

MRBのブログによると,松田さんの足の調子が悪いみたいで,ちょっと不安なのですが・・・ドロッセルマイヤー(それも2幕)だけ見るために飛行機代使うのはさすがにもったいないもんねえ・・・半月の間に何とか調整いただいて,すてきなパ・ド・ドゥを見せていただきたいと思いますです。

なお,サイト本体の王子出演情報のページも更新しておきました。

  

  

posted by 槻本 at 21:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小嶋直也
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