【昨夜のバレエ 明夜のバレエ】の表紙に戻る

  

  Amazon.co.jp商品検索 Powerd by Amagle

 

2012年09月01日

華麗なるクラシックバレエ・ハイライト(キエフ・バレエ)

8月3日(金) 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)

地元で公演があったので、見にいきました。
自分でも信じられないくらい、久しぶりのバレエです。

最初に『眠り』のワルツの音楽が(もちろんテープで)流れた瞬間、「ああ、バレエだわ〜」とたいそう感動しました。
でも、幕が開いたら平常心に戻ってしまいまして、うーむ・・・私ってほんと、むやみと文句の多い観客なのよねえ。がっかりしちゃった。

いや、がっかりしたのは、自分に対してです。
なんというか・・・もっと新鮮な感動があるのではないか、と期待していたわけです。
バレエを見始めたころみたいに、素直に何でも楽しめるのではないか、と。

でも、そういうことはないみたい。
結局、以前と同じように、あーだこーだと論評しながら、それなりに楽しんできました。


【第1部】
『眠りの森の美女』より ワルツ、ローズアダージョ
音楽:P.チャイコフスキー  振付:M.プティパ
カテリーナ・クーハリ
オレクサンドル・ストヤノフ アンドレイ・ピサレフ イワン・ボイコ ヘンナージィ・ペトロフスキー
キエフ・バレエ

ワルツは8組。女性はブルーとパープルの衣装。男性は白だったかな?
女性の花籠はありませんでしたが、途中で男性が花綱を持って出てきて、それも使ってのフォーメーション。
女性ダンサーの中には、日本人らしい方が何人か。
男性は、プロポーションはさすがですが、ヘアがイマイチの方が多い。あちらでは、前髪を短く切り揃えるヘアスタイルが流行っているんですかね? そうでない方は、たいがいM字に後退しているような?

続いて、4人の王子が登場。着込んで帽子の正統派。
黒髪のクーハリ@オーロラは、ヴィシニョーワ系の妖艶なお顔立ちが災いしてか、全然オーロラに見えない。かといって、バランスで見せるわけでもなく・・・4人の王子も、駆け引きなどせずおとなしめ。途中から、男性コール・ド中の4人が花綱を持って登場し、場の盛り上げを図っていましたが・・・総じてつまらなかったです。


『白鳥の湖』第1幕2場より
音楽:P.チャイコフスキー  振付:M.プティパ、L.イワノフ
カテリーナ・チェブィキナ/マキシム・ベルナドスキー
キエフ・バレエ

コールドつきのグラン・アダージオ〜小さい4羽〜オデットのヴァリアシオン〜コーダ〜王子とオデットの別れ という上演でした。
チェブィキナは、ほっそりとしていて腕の長いプロポーションが白鳥向きなのですが、風情が違う。一生懸命オデットを演じているのが、「一生懸命誘惑中」に見えてしまいました。
ベルナドスキーは立派な体躯。サポート要員としては問題ないですが、演技力はなさそうでありました。
4羽は、上半身を揃える努力をお願いします。

『ゴパック』
音楽:V.ソロヴィヨフ=セドイ  振付:R.ザハロフ
アンドレイ・ピサレフ
期待外れ。躍動感なし。

『人形の精』よりパ・ド・トロワ
音楽:J.バイヤー  振付:N.レガート S.レガート
エリザヴェータ・チェプラソワ/オレクサンドル・ストヤノフ/イワン・ボイコ

楽しかったです。(やれやれ、よかった。楽しめるモノが出てきて)
チェプラソワは、がっちり筋肉系のプロポーションのバレリーナ。容姿の可憐さに欠けますが、可憐さの表現はばっちり。踊りは安定していて、演技が達者なので、大いに役にはまっていました。
ピエロ2人は、コミカルな演技と「いきなりここでファイブフォーティー(・o・)」なテクニック。客席とのコンタクトも十分で、大いに楽しませてくれました。(ただし、衣装はよくなかったなぁ)

【第2部】
『くるみ割り人形』第2幕よりグラン・パ・ド・ドゥ 
音楽:P.チャイコフスキー  振付:V.コフトゥン
ユリヤ・モスカレンコ/イワン・ボイコ

よかったです。
モスカレンコは、若くて華奢なバレリーナ。プリマの風格には欠けますが、夢の中で王子と踊るクララにはぴったり。ヴァリアシオンのチェレスタの軽やかな音楽が特に似合っていて、全幕でも見てみたいかも〜♪
ピエロの片方だったボイコが、今度は王子役で登場。そつがないと言えばいいのかしらん? 際立つ魅力はないものの、リフト・サポートは安定しているし、ソロは普通にきれい。加えて、表現力が秀逸。上半身のちょっとした動きで、クララへの想いが伝わってきました。

『アルレキナーダ』よりパ・ド・ドゥ
音楽:R.ドリゴ  振付:M.プティパ
エリザヴェータ・チェプラソワ/アンドレイ・ピサレフ

チェプラソワはやはり上手い。こういう堅実なバレリーナはよいですよね〜。
ピサレフも『ゴパック』みたいな力強さが必要な役よりは、こういう軽妙な作品のほうが向くみたい。この作品特有の「人差し指を下に向ける」動きがイマイチだとか、襟元の黒リボンがズレて見苦しいとか、感心できない点もありましたが、まあ、それなりに。

話が逸れますが・・・チェプラソワのフェッテのときに、ピサレフが客席を乗せて手拍子をさせておりました。
こういうのを見ると、今東京で行われている世界バレエフェスで毎回聞かされる説教は一体何なのか? と。
それを信じて、今日みたいな「バレエを見るのは年1回」の客席をバカにするのはどうなのか? とも。
で、再度話が逸れますが・・・最近はバレエ界の動静にとんと疎いのですが、佐々木専務理事はお元気なのであろうか? と。

『瀕死の白鳥』
音楽:C.サン=サーンス  振付:M.フォーキン
カテリーナ・チェブイキナ

第一部の『白鳥』の最後、客席に背を向けたチェブイキナは、派手に大きく腕を動かした後、骨がないかのような柔らかで細かなポール・ド・ブラを見せて、舞台上手に去っていきました。
で、この作品の冒頭、客席に背を向けて登場したチェブイキナは、派手に大きく腕を動かした後、骨がないかのような柔らかで細かなポール・ド・ブラを見せまして、客席からは感嘆のため息と大きな拍手が起きました。

表現は、よく言えばドラマチック。悪く言えば表層的。
情感がないのが最大の欠点だと思いますが・・・まだ若いからかもしれませんね。

『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ドゥ
音楽L.ミンクス  振付:M.プティパ、A.ゴルスキー
カテリーナ・クーハリ/オレクサンドル・ストヤノフ
キエフ・バレエ

花売り娘(? ヴァリエーション担当)2人とコール・ドのバレリーナ4人、ファンダンゴ8組が登場した後、お色気系オーロラを踊ったクーハリ@キトリとピエロの片方(テクの強いほう)ストヤノフ@バジルが黒系の衣装で登場しました。2人とも黒髪で、動きも機敏な感じ。前の作品より役にはまっていそうなので、期待が高まりましたし、その期待は裏切られませんでした。

まずは,ファンダンゴが舞台上に残って「可もなく不可もなく」というか,「欧米や日本のバレエ団ならともかく,ロシア系のキャラクター・ダンスが,こんなに平板でいいのであろうか?」な踊りを披露したのち,グラン・パ・ド・ドゥに。

主役2人ともスケールは小さいものの,このパ・ド・ドウに必要なテクニックはきっちり。
雰囲気的には,「キトリとバジル」らしい庶民感 に 「主役の結婚式」らしい華やぎ を加えて2で割ったらこんな感じかな〜 という感じでした。

・・・ほんとは,2で割らないで,さらに相乗効果を生んでほしいとことろではあるのですが,この際,そういうことを言うのは間違いでありましょう。
クーハリは,色気と姐御な雰囲気がありましたし。コーダのフェッテで定期的にダブルを入れてみせたのが優れておりました。
ストヤノフは,アダージオで,女性がバランス技に入ったところでさりげなく離れたあと,くいっと身体をさらに反らした動きが,実にもってセクシーでありました。

なお,ヴァリエーションを踊った2人のうち1人(アダージオのほう?)は,『くるみ』のモスカレンコだったんじゃないかな? たぶん。


というわけで・・・
最初のうちは「なんだかなー」という気分だったのですが,1幕の最後から楽しくなり,2幕は総じてよかったです。とはいえ・・・全体に小粒感というか,夏休みの合宿というか・・・な雰囲気の公演でありました。
たいたいさー,前半の最後が『人形の精』ってどうなんでしょう? いや,そこまでの1部の演目に比べるとダントツ完成度が高かったですが,そういう作品担当の方が一番レベルが上というのは,なんつーか・・・フィリピエワ,マトヴィエンコとは言いませんが,ドムラチェワとかシドルスキーとか来られなかったんでしょうかね?(もしかして退団移籍したのか?)

  

  

posted by 槻本 at 19:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | キエフ・バレエ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
【昨夜のバレエ 明夜のバレエ】の表紙に戻る

   

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。