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2008年11月13日

ボリショイの公演日程(愚痴)

私にとってはものすごく不都合なのを改めて発見。
チケット発売があまりに早かったので購入を見送っていたのですが,そろそろ予定を立てようかと思って詳しく見たら,あらまー,東京公演は全部無理だわ。

ジャパン・アーツさんは前回のマリインスキーのときも,「客が入りにくかろう」と誰もが思うロパートキナやヴィシニョーワのガラや「3日は無理では?」な『海賊』を平日夜に行い,安全パイの『白鳥の湖』だけ週末に上演するという謎の日程を組んだのですが・・・今回も似たような感じなのですねえ。

バレエファンの多くは見たいと思うであろうがバレエファンでなければ「それってナニ?」が懸念される『明るい小川』(というよりフィーリンのロマンチック・チュチュ姿?)や「3日は多すぎないか?」な『ドンキ』は平日。週末上京して見られるのは『白鳥』だけ。

で,その週末は,私は抜けられない仕事が入っているのよ。参ったね。

11/22〜24(三重&びわ湖)も無理なのですが(だから,シュツッツガルトの『眠り』やデュアトの『ロミジュリ』なんかも見られない),うーむ,12/13・14に大阪なら行けそう。
『白鳥』がアレクサンドロワ主演というのは,(今回の来日メンバーの中では)私にとってベストキャストだし,とかく話題になるシュピレフスキーの品定めができるチャンスだし,オシポワ/ワシリーエフの『ドンキ』は,彼らが若くて勢いがあるうちに1回見ておければ嬉しいし・・・。

が,その週末は東京では牧の『くるみ』が。
王子の出演の有無がわからないうちは大阪行きは決められないし,かりに出ないとしても,わかったときにはお安い航空券を手配するには遅くなってしまいそう。

困ったなあ。
私にとってボリショイは,パリオペやシュツットガルトよりずっと「見逃せない」バレエ団なのですが,結局見逃してしまいそうな気がしますわ。やれやれ。
(すみません。単なる愚痴です)

  

  

posted by 槻本 at 21:43 | Comment(4) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2008年03月04日

ボリショイの新芸術監督はユーリ・ブルラーカ

になるのだそうですね。
(念のため説明:ラトマンスキーは,振付に専念するため,今年末までの任期で退任する意向とのこと)

この件については,Keichikaのおもちゃ箱 さんで知りました。(けいちかさん,いつもありがとうございます〜)
あ,このページがよいかな? モスクワ発の貴重な情報が載っています。ベスメルトノワが亡くなったことは皆さんご存知かと思いますが,ザハロワが下院議員になったという話なども。


で,ブルラーカについてですが,私には適任かどうか等を論ずる知識はないですが(ご本人の能力に関しても,ボリショイの芸術監督に求められる能力に関しても),「あ,知ってる」な方なので,その話をちょっと。

2004年に「ルジマトフ&ロシア国立バレエ団」という公演で見ました。要するに,(今は知りませんが)当時はロシア国立バレエ団で踊っていたわけです。

えーと,ロシア国立バレエ団について簡単に説明すると,芸術監督はヴァチェスラフ・ゴルデーエフ。
高名なダンサーはいないと思いますが,ボリショイの岩田さんが以前所属していました。(たしか,ワシリーエフがボリショイ劇場の芸術監督になってゴルデーエフをバレエ部門の監督に招いたときに,いっしょに移籍したような記憶が)
佐々木大さんや長田佳世さんもこのバレエ団で踊っていたようです。

余計な話が長くなりましたが,とにかく,04年にマハリナ/ルジマトフの『シェヘラザード』を目玉に日本公演をして,それで私も見たわけです。
そのときの感想はこちら

ブルラーカについても書いてありますが,印象としては,「おっそろしく細くて腕も脚も長いダンサー」。
率直に言って,「プロポーションがよい」を通り越して,「蜘蛛男?」なんて思いました。(すみません) 言い方を変えれば,アロンソ『カルメン組曲』の牛の衣裳が似合いそうな体型というか。


当時のプログラムから紹介しますと・・・(光藍社さん,ありがとうございます〜)

ボリショイバレエ学校出身(←そういう名称のバレエ学校はないそうですが,そこは気にしないでね。そう書いてあるのよ)でペストフに師事。
86年にロシアバレエ団に入団。
ラインが美しくノーブルなダンサー。(レパートリーとして,『くるみ』・『ジゼル』・『眠り』・『ラ・シル』・『コッペリア』の主役が並んでいます)
99年にモスクワ国立舞踊大学校教師学部卒業。

バレエ史についても造詣が深く,『パキータ』についての本を執筆予定。その他にもバレエ学校・バレエ教室のためのレッスン音楽についての本も執筆中。
ロシア功労芸術家。


この公演では,プティパの『ナイアードと漁夫より』というものが上演されたのですが,ブルラーカが復元したということでしたし,バレエ史への知識を生かして,ほかにも古い作品を復元し,バレエ団のレパートリーに加えているとという話でした。(ベテラン団員・千野真沙美さんのインタビューによる)

最近では,ラトマンスキー版『海賊』の共同演出者(? 復元担当?)として名前が出ていましたよね,たしか。
というわけで,芸術監督としてどうなのかはわかりませんが,古い作品の復元方面に実績のある方のようです。

「それってダレ?」のボリショイ・ファンの皆さま,少しはお役に立てたでしょうか〜?

  

  

posted by 槻本 at 19:52 | Comment(2) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2008年02月03日

ABT&ボリショイの日本公演について

どうすべきか,休日を利用して,つらつらと考えておりました。

あ,詳細は,皆さんもちろんご存知ですよね。
念のため,ABTはこちらで,ボリショイはこちら


ABTについては,ロットバルトを妖しい紳士と奇っ怪な化け物とで分担するという『白鳥の湖』を見てみたいのですが・・・あらら,平日ですか。そうですか。
公演直前になって仕事がなんとかなりそうなら,なんとかすることにいたしましょ。(交通費を考えると,新書館の高額DVDを買ったほうが賢明であろうか?)

どうせ平日2日を費やすなら,キャストを重視して選びたいものですが・・・オデットに関しては,ケントかドヴォロヴェンコ,オディールはドヴォロベンコかマーフィー。ジークフリートは,コレーラは見たことあるから,それ以外の誰か。ロットバルトは・・・よくわかんないけど,どうせ見るならホールバーグ?
うーん,うーん・・・やっぱり,仕事の都合で決めよう。


ボリショイの場合は,もう少し深刻です。
男性プリンシパルのシルフィード姿が拝める(&今回見逃したら一生見られない可能性が高そうな)『明るい小川』は是非見たい,「ボリショイこそが世界一」の『ドン・キホーテ』もやはり見たい。ラストが悲劇に変更されたという『白鳥の湖』も捨て難い。

で,『明るい小川』も『ドンキ』も平日公演で,『白鳥』が週末なんですよねえ。お子さんや初心者も見てみたい『白鳥』が土日なのは親切な配慮のような営業的にマヌケなような・・・前回のマリインスキーも似たような日程で,結局『白鳥』しか見られなかったような記憶が。

11月22日(土)に三重県文化会館まで遠征して『ドンキ』を見て,24日(月・祝)はびわ湖ホールで『明るい小川』,12月6日(土)のマチソワでルンキナとアレクサンドロワの『白鳥』を・・・というのが,机上で考えられる最善の対処ですが・・・体力的にそれはもう無理だという気もします。
うーむ・・・『白鳥』だけは買っとくかなぁ? でも,なにしろ師走だからなぁ。予定なんか立てようがないしなぁ。

しゃーない,こっちも直前対応にしよ。

というわけで,ジャパンアーツ会員の友人からの「いっしょに夢倶楽部価格でチケット買っとく?」というお誘いは見送ることにしたのでした。

  

  

posted by 槻本 at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2007年09月04日

おおっ♪

→の一番↓に,このブログのアクセスカウンターがあるのですが,昨日のお客様は1000人ちょうどだったようです。(カウンターの数字の上にカーソルを合わせると出てくる)
おお,ぴったり〜♪

って,それだけなんですが。なんか盛り上がった。


ボリショイ&マリインスキー合同ガラ,Aプロ第2部の感想を最後まで書き足しました。

  

  

posted by 槻本 at 23:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2007年09月02日

ボリショイ&マリインスキー合同ガラ公演 まずはAプロ前半(ボリショイ)

楽しかったです〜。
「すばらしいっっ♪」もあれば「ひでーなー(呆)」もあり,「わははは」も「うーむ,気の毒・・・」もあり,全体として「やっぱりロシアバレエはいいよね〜」と。

昨日のマチネとソワレと続けて見たのはちょっと失敗だったかな。昨日の夜は休養して,今日Bプロを見たほうが,疲れが少なくてより楽しめたかも。

あ,「王子が恋しい」はいっぱいありましたけど(だいたい会場からして初台だ),十分心構えをして臨みましたので,舞台を楽しむ妨げにはなりませんでした。よかった,よかった。


Aプロから感想行きまーす。

第1部(ボリショイ)
『エスメラルダ』第2幕のパ・ド・ドゥ
エカテリーナ・クリサノワ/ドミートリー・グダーノフ

クリサノワは初見。(お顔立ちがちょっとヴィシニョーワに似ていますね)
グダーノフもたぶん初めてのような。

よかったですよ。
特に感銘を受けることもありませんでしたが,文句を言いたいこともなく。きっちりお仕事,手堅い上演という感じでしょうか。
タンバリンは,もっと目立つように大きくて,音も派手に大きく鳴るほうが効果的なんじゃないのかなー,と思いました。


『マグリットマニア』デュエット
ネッリ・コバビーゼ,アルテム・シュピレフスキー

コバビーゼは去年『バヤデルカ』の幻影のソリストを見て,詩情ある雰囲気がすてきだったダンサー。とても楽しみにしていました。
シュピレフスキーは初めて見ましたが,「お噂はかねがね」ですから,興味津々。

どのような振付だったのか既に記憶が消えてしまいましたが,暗い中で踊られる,穏当にきれいな作品だったような。
赤いロングドレスのコバビーゼは神秘的な雰囲気。美しかったです。
シュピレフスキーは白いシャツにサスペンダーと黒いズボンでサポート担当という感じ。写真で見ていたほどは美男に見えなくてちと残念でありました。


『海賊』第1幕の奴隷の踊り
ニーナ・カプツォーワ/アンドレイ・メルクーリエフ

カプツォーワは初めて見たのですが,なるほど,魅力的なバレリーナですね〜。
羽があるかのような軽やかな動きの美しさ,フランス人形? な作り物っぽい白いカツラの似合う愛らしさに感嘆しました。すばらしいっっ♪♪

メルクーリエフは,『ウイリアム・テル』パ・ド・ドゥか? というチロリアンな衣裳が似合ってカワイイのが何より。
難しそうな大技を入れて「あれま」になっておりました。そういうのはほかの適任者に任せておけばよいと思いますが,こういう催しだと張り切っちゃうんでしょうかね?

なお,ボリショイファンの方から聞いたところによると,ラトマンスキー+ブルラーカ版『海賊』では,このパ・ド・ドゥは正真正銘の「奴隷の(カップルの)踊り」になっていて,グリナーラやランケデムとは別のダンサーが踊るのだそうです。
なるほどー。だから,男性は商売っ気を見せず,女性のほうも無邪気に楽しげに踊るのですねー。(それなら,ベールと「あ,いや」もやめたほうがよいとは思うが)


『ジゼル』第2幕のパ・ド・ドゥ
スヴェトラーナ・ルンキナ/ルスラン・スクヴォルツォフ

実はルンキナも初めて見たのですが,とってもすてきなジゼルでした〜。
ほっそりとした身体,特にたおやかで長い首が,いかにもジゼルという容姿ですし,プリマらしい存在感も十分。雰囲気的には,儚げな幻や赦しを与える魂ではなく,詩的な精霊という感じ。(いや,「詩的な精霊」ってなんだよ? と聞かれると困るんだけどさ)

スクヴォルツォフも初見でしたが,そうですねー,悪くもないが特に誉めたいこともなく・・・。普通によかったと思います。(そして,Bプロの『ジゼル』を見たあとでは「普通によければ十分だ」という気分になった)


『ファラオの娘』第2幕のパ・ド・ドゥ
マリーヤ・アレクサンドロワ/セルゲイ・フィーリン

ルンキナを見て「やはりプリンシパルは違う」と思ったのですが,この2人はさらに違っておりました。出てきただけで場の明るさが3倍くらいになった感じですし,何の不安も感じさせない見事な踊り。

このパ・ド・ドゥは初めて見たのですが,聞いていたとおり足技満載で躍動的な振付で,プログラム解説に言う「愛のアダージョ」には見えにくかったです。(だから悪い,と言いたいわけではないが)


『パリの炎』第4幕のパ・ド・ドゥ
ナターリヤ・オシポワ/イワン・ワシーリエフ

オシポワもコバビーゼと同じく,去年の『バヤデルカ』幻影のソリストを見ています。丸顔に丸いお鼻という童顔のせいか(ちょっとバッセルに似ているのよ),“影”役は似合っていなかったと思いますが,「ほかの2人より10センチは高く跳ぶ」のでびっくりしました。
そういう彼女にはこの作品はぴったり。溌剌と跳躍し,溌剌と回転し,溌剌と超絶技巧を披露しておりました。

話題の新人ワシーリエフはもちろん初めて見たわけですが,まずは,かりに日本のバレエ団で見ても「スタイル悪すぎ」に見えるであろうプロポーションにもかかわらず,「選ばれた人が踊る」というロシアでこの才能が埋もれないですんだことを寿ぎたいなー,と。

天衣無縫な野趣を感じさせるヴィルティオーゾ。笑い出したくなるほどの超難技を威勢よく繰り出す超テクニシャン。
私は超絶技巧も大好きですので大いに楽しみましたが,バレエ的にきれいに踊れるようになると,なおよいと思いますー。


とりあえずここで切りますね。
続きを今日書けるかどうかはちょっとわかりませんです。

  

  

posted by 槻本 at 17:11 | Comment(2) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月10日

天蓋の中はいかに?(ボリショイ・バヤデルカ)

まず簡単なお知らせ。

チャコットダンスキューブ更新です。
パリオペの公演も取り上げられていて,インターネットならではの速さですね〜。

イープラスの世界バレエフェスティバル・プレオーダーは明日12時開始だそうです。
ぴあと楽天では発見できず。NBSはイープラスのシステムを利用しているようだから,他では優先予約の類はないのかもしれませんね。


えーと,ボリショイ『ラ・バヤデール』ですが,私,今回は,3日とも下手寄りの席でして・・・天蓋の中はそれなりに見えました。
棕櫚だか椰子だかの葉っぱのせいで顔の表情までは見分けられませんでしたが,なにをしていたかは大体わかって,幸運でありました。

見えなかった方続出のようなので,書いときますね〜。(だいぶ経ったから記憶が薄れたり,混同したりしているところはあるかもしれませんので,その程度のものだという前提でお読みくださいませ)


3キャスト見た結果,以下は,グリゴローヴィチ版のデフォルトと思われます。

奥からガムザッティ,ラジャ,ソロルの順ですわるので,ガムザッティ・ソロル間の芝居は淡白ですが,ラジャが天蓋から出てきてマグダヴェーヤに「蛇を持ってこい」と命じる間に,ソロルがガムザッティの手に接吻します。
その後ラジャが席に戻ると,ガムザッティは父親の腕に「すりすり〜」して甘える。

ニキヤが蛇に噛まれると,ガムザッティは天蓋から下りてきて,「いかにもバレリーナ」なポーズをします。(映像のプラテルがやっていますよね。片脚を後ろに退いて,両手は前で手首の辺りを交差させるあの動き。キーロフのバレリーナのカーテンコールの基本の形) で,ニキヤに難じられると,1人で上手袖に去っていく。
ガムザッティに前後して,ソロルも(ラジャも)天蓋から出てきます。そして,ニキヤが死んでソロルはこの場から逃げ出す,と。


ダンサーによる違い。

フィーリンはですねー,天蓋の中に腰を下ろすなりおもむろに,ハーレムパンツの皺をていねいに伸ばしておりました。
パンツの布の量が少ないので(だからパジャマのように見えるのだ)その辺が気になっちゃったんでしょうかね〜? 困ったもんですね〜。ソロル失格ですね〜。(←当サイト基準)

その後は,「目の前の支柱を掴んでうつむく」という感じで,普通にもっともなソロルでした。

シプリナのほうは,お上品に座について,そういうソロルをじっと見ている感じ。「じとーーー,と見ている」と言ったほうが雰囲気出るかな? 怖かったですよ。


ネポロージニーについては,昨日書いたとおりです。独自色はないけれど,「模範的なソロルの演技」だったのではないでしょうか?

アレクサンドロワも支柱に手をやるのですが,彼女は右手だけを支柱に置いて,その置く位置が,ネポロージニーが掴んでいるのよりずっと高い。二人の力関係が出ているようで,すばらしいな〜,と思いました。
その後は,手を組み合わせて顎をその上に置いて,余裕をもってニキヤを見る・・・などの芝居もしていて,全体的な雰囲気としては「婚約式というよりは,ガムザッティの即位式ですなー」と。


ツィスカリーゼですが・・・彼は天蓋の外に積極的に打って出て芝居を見せておりましたから,概ね,皆さんご覧になったとおりです。
ニキヤが登場するまで天蓋の下にいて,彼女を目にして天蓋に逃げ込み,支柱にすがりつく。その後も腰を下ろしたかと思うと支柱にすがる。時々立ち上がって,やはり支柱にすがる・・・というわけで,これだけ頼りにされれば,支柱としてもセット冥利に尽きるでありましょう。

特徴的だったのは,ガムザッティの手に接吻する演技です。普通は手の甲に礼儀正しくキスするでしょう? 彼はね,ガムザッティの手の上に顔を埋めて,しばらくそのままだったの。
ニキヤにとっては余計ヒドイ行為だという気もしますが,この際そんなことより・・・「支柱の次はガムザッティの手か。とにかくなにかに逃げ込まないではいられないのだな」ということがよくわかりました。

この場の心理表現としては「なるほどー。うん,これもあるかも。うまいよね」と納得しましたし,見た目は戦士そのものであるだけに,このギャップがカワイイな〜,とも思いましたが・・・ジャングルで虎が出てきたら,部下をうっちゃって,一目散に逃げ出すんじゃないですかね,この人? (世界は広いですな〜。マラーホフより軟弱そうな戦士がこんなところにいたとはね〜)

アラシュについては,先日書いたとおりです。とにかく「平然」としていて,このツィスカリーゼの熱演(?)に対してもなんら反応しないところがすごかったです。
(あ! もしかして・・・婚約期間中にソロルの人柄に触れて,「よりによってこんな男と結婚しなくちゃならないなんて・・・」と180度気分が変わっちゃったんでしょうかね?)


まあ,こんなところですね。
明日は,たぶん,グラチョーワ@ニキヤの3幕の話などを。

  

  

posted by 槻本 at 21:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月09日

続・グラチョーワのニキヤ

えーと,続き行きます。
(昨日の後半から修正して載せてます。いや,今日の昼休みに改めて読んでみたら,かなり「なんじゃこりゃ?」で恥ずかしかったので)


マグダヴェーヤに逢引の手筈を伝えられたときの表情は抑え目。
嬉しさを噛みしめているようでもありましたが,「忍ぶ恋」だから,周りをはばかっているようにも見えました。
そうなんだよね〜,嬉しさを無防備に見せてはいけない恋もあるんだよね〜,となんだかむやみに共感してしまったのでした。

そして,ソロルとの逢引です。
(失礼かもしれませんが)決して「少女のよう」とは言えないグラチョーワが,まさに少女のように,無垢な恋の歓びを表現する。その様子は,これ以上ないほど愛らしくて,だからこそ痛々しい。

それはもうエレガントで,それゆえに「ほんとに戦士? 頼りにならないんじゃ?」と見えてしまうネポーロジニーのソロル。はたから見たら「本気かなぁ? もしかして,遊ばれてるってことない?」と忠告したくなるような身分違いの男性。

でも,たぶん・・・だからこそ,夢中になれる恋だったんですよね。

自分でも,心の奥底では不安を抱いている。若く美しく地位もあるこの人が自分を選んでくれたのが信じられない,と思うこともある。
同時に,かわいいだけの小娘なんか相手にしないで,「私の」魅力をわかってくれる人なのだ,と信じてもいる。

神聖だけれど暗い神殿の中で,務めに専念する日々を過ごしてきたニキヤに初めて訪れた恋。二度とは訪れないかもしれない恋。
そして,もしかすると・・・一人の男に夢中になって,恋を謳歌できる自分を確認することの嬉しさ。

・・・そういう恋に見えました。


奴隷のパ・ド・ドゥは,宗教的な雰囲気に満ちて美しかったです。(色恋沙汰で忙しくても,仕事には手を抜かない。立派な職業人なわけですね〜)
もちろん,「おお,プリマ」と思ってしまう輝きもありました。

ガムザッティとのシーンで特徴的だったのは,保護者然としていたガムザッティが豹変して,いきなりソロルの肖像画のほうにニキヤを突き飛ばしたときです。
グラチョーワのニキヤは,ガムザッティの意図を全く悟らず,ソロルの肖像画に向かって,敬虔に祈りのポーズをする。(なので,ガムザッティはますますキレる)

なるほどー,グリゴローヴィチ演出のここまでの流れを見ると,国一番の戦士の肖像画が宮殿にあるからって驚く理由はないもんね,と感心。(国技館の優勝額のようなもんでしょうかね)
同時に,「それだけソロルを信じている」とも見えました。

その後は,お決まりの「女の戦い」ですが・・・そこまでの姫君への態度はしとやかに上品,ガムザッティに気圧される様子は哀れ,そして,つと立ち上がって「愛の確信」を宣言するところは崇高でした。
なんていうのかな・・・単に「聖なる火に誓ってくれたから」ではなく,「ソロルへの全き敬意」があるように見えたの。

すがるガムザッティを振り切ってナイフを掴むところは・・・おととい書きましたよね,演出が悪いです。
一目散にナイフのある場所に向かって,いきなり歯向かうんだもん。なんでグラチョーワにこんなことさせるのよぉ,台無しじゃないのよぉ,と。
あ,ジュテは1回だったんじゃないかな。


婚約式の踊りは,切々として,悲しげでした。
あの踊りって「巫女として」なのか「嘆き」なのかよくわからないところがあって,たぶん混在一体となっているのだと思いますが・・・グラチョーワに関しては,明らかに「悲嘆に暮れる」だったと思います。

そして,「もうわかってしまった」なのかなー,とも思いました。音楽が盛り上がってソロルがガムザティの手に接吻するところで,ショックを受ける様子がなくて,悲しみだけを表現していたように見えたから。

花籠の踊りが「はしゃぎすぎ」でないのがとても好もしかったです。
諦念が見えるとでも申しましょうか・・・「ありがとう,あなた・・・。最後にあなたのために踊ります・・・」みたいな感じ? 

うん,最初からわかってたんだよね,きっと。
こんな形で終わるとは,もちろん思っていなかった。でも,予感はあった。
そもそもの最初から,結ばれるとは思っていなかった。国中に名を響かせる戦士だもの,その令夫人になれると夢見たわけではない。ただ,彼が好きだったから。彼も愛しく思ってくれたから。だから束の間の逢瀬に賭けた。身の程知らずに藩主のお嬢様に経楯突くようなこともした。
でも,もう終わった。終わるしかない。

踊り終えたニキヤは花籠に顔を埋めます。ソロルの残り香を確かめるかのように。
そして,破局。ソロルの最後の優しさだと信じて,諦めと感謝で愛しんだ花籠が偽りのものであったという衝撃。残酷すぎる結末。


ネポロージニーのソロルは,とてもよい演技だったと思います。ごくありきたりだけれど,でも,それが大事っていうこともあるでしょう?
天蓋の中で細い支柱を握り締めたり,胸に手を当ててニキヤを見たり,なんともない風に藩主と会話したり,花籠が出てくると不審そうに立ち上がったり・・・。

そして,ニキヤが倒れたときには,驚いて立ち尽くす。
ガムザッティが立ち去った後,大僧正はこの場の全員に後ろを向くよう伝えます。ソロルもそれに従って背を向けるけれど・・・でも,見ないではいられない。
様子をうかがうように,彼女のほうをちらちらと見て・・・すがるように彼の視線を求めるニキヤとついに目が合って・・・そして,情けなくも,目をそらして顔を伏せてしまう。

絶望したニキヤは解毒剤を取り落とします。
それで,終わり。

藩主が自分を見ているのは知っていたけれど,それでもニキヤに駆け寄って,自分の所為の結果を目の当たりにして・・・ソロルはどこかへ駆け去ります。
それが,この恋の終わり。


もちろん舞台は終わらないで,3幕へと続きますが・・・今日はここまで。

書きながらわかったんだけど,グラチョーワのニキヤは,ものすごく,私の妄想癖を刺激するものでした。
この妄想癖は,ルジマトフのせいなんだけれど・・・うーん・・・バレリーナでこんなのって珍しいし・・・最近はルジマトフにもあんまり妄想できなくなっているだけに,この体験はものすごく貴重。

うん,ほんっとに私好みの舞台だったんだわね〜。(好みは関係なく,すばらしかったとも思うし〜)

  

  

posted by 槻本 at 22:07 | Comment(2) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月08日

グラチョーワのニキヤについて

の前に・・・昨日は,大事なことを書き忘れたわ。

婚約式のソロルは,象に乗っていませんでした。

たしかガムザッティと同じような輿に乗って登場したんじゃないかな。(←記憶不確か)
私にとっては,ファルフさんが踊るときは象は必須不可欠ですが・・・ま,別のバレエ団だから,なくてもいいですね。(でも,ネポロージニーは見てみたかったかも〜。ツィスカイーゼは見なくても想像できちゃう気がするから,まあいいのだ)


さて,グラチョーワの話

登場してベール姿で階段を下りてくるときの歩き方には厳かさがあって,巫女に見えました。
が,大僧正がベールを上げた瞬間,これは「人間の女」だ,「巫女」ではない,と。

「神に仕える身」には,もちろん見えました。
でも,あくまでも「仕える」のであって,神が下りてくる存在ではないでしょうね。たぶん,そこが,ザハロワ(やロパートキナ)のニキヤとは違うのではないかしらん。

そして,若くは見えないこともあり(まだ30代後半だと思いますが,その実年齢より年がいっているように見えた),これは「きわめて立派なキャリアウーマンの舞姫」なのだなー,と思いました。

長年の修練により国一番の舞の名手となり,おそらく学問も修めて,徳も積んでいる。人望もあるに違いないし,僧侶たちにも一目置かれている。
舞姫の中で最も重要な役割を果たす地位にあり,だから,最後に1人で登場するし,藩主の娘が婚約するとなれば,祝福を与えるために彼女が呼ばれる。
そういう熟練の舞姫なのだろう,と。

もちろん,ベールが取り去られた瞬間にそこまで考えたわけではないですよ。それに続く神に捧げる踊りを見ながらそう思ったわけです。
グラチョーワのあの踊りには,そう思ってしまうような深い精神性が感じられました。そして同時に,憂いというか・・・純粋培養の「神の花嫁」ではない,きわめて人間的な官能性も感じられました。(無粋なことを言えば,彼女の上半身が,肉感的に見える感じであったせいもあるかもしれません)

なので,おお,これは「大人の女」の舞姫なんだよなー,と感じ入ったのでした。

続く大僧正の懸想シーンで,ますますその思いは強まりました。
ここ,すばらしく見事だったと思いますよ。大僧正は,合計4回ニキヤに迫るのですが(←ますます無粋ですみませんです),その度に彼女が表現する感情が微妙に違って見えたの。

最初は,ただ驚く。次に,ちょっと心が揺れる(異論はあるかもしれないが,私にはそう見えた)。そして,自分の立場を思い出して(あるいはソロルを思ってなのかも)「やはりできない」と拒絶する。最後は,神に仕える身としてきっぱりと拒む。

うわ〜,なんて丁寧な表現なのかしら〜。若いバレリーナには絶対こんなの見せてもらえないわ〜,と感嘆し,現実の「熟練のバレリーナの芸」と物語の中の「熟練の舞姫」をごっちゃにしながら,感動しまくったのでした。
(ああ,蘇るな〜)


唐突ですが,明日に続く。

  

  

posted by 槻本 at 23:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月07日

グリゴローヴィチ版『ラ・バヤデール』について

その話の前に,チケットスペースから先行予約の案内が来たのですが,Kバレエ「サマー・トリプルビル」の演目は,『若者と死』,「熊川哲也新作」,「未定」だそうです。
これではたいして(いや,全然)新たな情報がないわけですが・・・こっちは役に立つよね?

『若者と死』で「死」を踊るのは,中村祥子さんだそうです。

楽天チケット
先行発売: 5/16(火)19:00〜5/18(木)

ぴあプレリザーブ
受付中。5月10日(水) 9:00AMまで(リンク切れのときは,こちら

イープラスプレオーダー
5/9(火)12:00〜5/14(日)18:00

公演日程等
8/9(水)〜11(金)19:00、12(土)17:00、13(日)15:00
文京シビックホール
S-16000円 A-12000円 B-10000円
一般発売 5月20日(土) 10:00AM

あら,よく見たら,世界バレエフェスと重なっていますねえ。



さて,本日は演出の話なので,今さらですがネタバレご注意(まだ神戸公演がありますもんね)
そして,いつものことながら,勝手な解説を加えてありますです。


えーとですね・・・今まで,自分は「踊りまくるグリゴローヴィチ作品大好き♪」だと思っていたのですが,今回『バヤデルカ』を見て,ちょっと自信がなくなってきたような。

最初にこの作品を見たのはボリショイのこの版だったけれど,ルジマトフが踊る度に見にいっていた関係上,キーロフ(ポノマリョフ)〜マールイ(ボヤルチコフ)が刷り込みになっちゃったからだとは思うけれど・・・「頼む! ここは踊らんでくれ!!」と言いたくなった場面があったのよ。


いや,全体としてはよい演出だと思うし,好きなんですよ。(特にラストが好き)

最初から行きまーす。

早めに幕が上がって(聞き慣れない音楽による)苦行僧たちの踊りで始まるのは「あの火が大切」という一種の「テーマの提示」になっていましたし,そもそも男性の踊りが増えるわけだから大歓迎。
槍を持った戦士たちが歩くのではなく踊りながら出てくるのも好き。ソロルが跳躍見せながら出てくるのも好き。(これはあちこちの演出で見ますが,ボリショイの場合,ジュテ3連発で終わらないで,もうちょっと踊る。走り出てきても全然構わないけれど,踊ってくれればそれも結構)

でもねー,僧たちまで踊るのはどうかと思いました。特に,2幕の最初のお祝い気分のときはともかく,1幕冒頭で神殿から登場するなり踊る僧侶たちには参っちゃった。
主役登場の前触れとして,登場人物皆で宗教的な雰囲気を醸してほしいのに,あの踊り・・・。普通にしずしず歩いてくれいっ,と。


さらにがっかりしたのは,ニキヤの登場シーン。
たぶん音楽の最初のほうをカットして,ニキヤの登場から舞台中央までの時間を短くしてあるんだと思う。

キーロフだと,音楽が始まって数小節は神殿の入り口には現れないで(観客の期待を高めてから)登場。さらに,しばらくそこで立ってからおもむろに石段を下り始めるの。(キーロフに限らず,石段のないマラーホフ版以外は,どこのバレエ団も同じだと思う) 

それなのにボリショイでは,すぐに現れて,すぐに歩き始める。ああ,もったいない,せっかくの名場面を。
こんなところでたったの30秒分話をスピーディーに進めてなんのたしになるのよっ,と怒りたい心境でしたわ。
(ちょっと自信はないけれど,大僧正がニキヤに言い寄るシーンも短くなっていたような気もするんだけど・・・違いますか?)


ええと・・・1場と2場の間が紗幕前の行進になっているのは名演出だと思います。(音楽は,婚約式の入場シーンを使っていたんじゃないかな?)
観客席の熱が下がらないうちに次を見せてくれるのは嬉しいし,鞭を持った下級役人(?)と奴隷が登場した次に,早くもガムザッティ登場。侍女(奴隷?)を引き連れて,鏡を見てお化粧直し(自分の美の確認?)をすることによって,彼女の生活ぶりと恵まれたお姫様なのを見せるのもうまい。
続く戦士たちがちょっと踊る(ステップ踏む)うちに紗幕が上がって,宮殿のシーンになるのも効果的。


続く1幕2場は,かなりユニークでした。

幕が上がってすぐガムザッティ登場して,きちんとしたソロを踊って〈音楽は耳慣れないもの),続いて兵士たちの中で踊るのは(再び婚約式の入場の音楽),とてもよいですよね〜。
ガムザッティ役の踊りが増えること自体が嬉しいわけですし,彼女の「人となり」を見せることもできる。(性格付けはバレリーナによっていろいろでしょうが,ニキヤとは対照的な俗世の女性なのは一目瞭然。戦士たちとも,親しく交わったりはしないまでも,日常的に接する立場なのもわかる)

登場するなり「ソロルの肖像画を見せられて一目惚れ(?)」する深窓のお姫様も悪くないですが,こういう演出だと,ソロルの人柄まではともかく(壁に肖像画が飾られるくらいの)功績や名声は十分知っているし,宮殿で折りに触れて見かけてもいる,そして好ましくも思っていたのであろう,という背景を想像できて,その後のシーンにも説得力が生まれますもんね。
(今日紹介された人に恋仲の女がいたからって,あそこまで取り乱して,特に「譲ってくれ」と懇願するのはどうも不自然だ。少なくとも,私には抵抗がある)
その代わり,ガムザッティがわざわざベールをかぶってソロルと対面するのはなぜ? 感は出るけれど・・・。

その後は奴隷の子どもたちの踊りで,次がジャンベの踊りだったかな。
この間,ガムザッティは父親といっしょに,下手寄りの椅子から踊りを見ている。この場面でもガムザッティの人柄が出せる演出で・・・シプリナは気位高そう。アラシュはしとやかそう。そして,アレクサンドロワの鷹揚な様子は「よい君主になれそうな人だなー」という感じでしたわ。

ジャンベの途中でニキヤと奴隷のパ・ド・ドゥが入るのは,ちょっと乱暴な扱いだとは思ったけれど,「いくら神事に没頭中とはいえ,愛しい男がそこにいるのに気付かんか?」がなくなるから,これはこれでもっともですねー。
まあ,婚約を祝福する(?)踊りのときのソロルの芝居を見る,という楽しみがないのは残念だけれど(特にツィスカリーゼは見てみたかったなー),そもそも奴隷のパ・ド・ドゥがない版もありますもんね。

ここの振付ですが・・・,最後にニキヤが奴隷の肩の上に立つのではなく,ごく普通のヒップを片手で持ち上げるリフトだったのは残念でした。(サポート名人が必ず配役されるにもかかわらず,ニキヤがぐらぐらしてしまう確率が高いような振付だからしかたないのかもしれないけれど・・・成功すれば,絶対あっちのほうが「祝福の有難み」が出ると思う)

ジャンベの残りが終わって,ソロル登場。ガムザッティに引き合わされて,いきなり二人でラジャの前に跪く段取りは早すぎると思いますー。普通は奴隷のパ・ド・ドゥを見るか,それがないときでも,並んで立っていると大僧正が入ってきて・・・くらいの感じですよね。

ラジャ・大僧正会談が終了して,ガムザッティが登場しますが,ここも独自色があって,特に音楽の使い方が上手いなー,と思いました。
舞姫のテーマ(1幕でコール・ドが踊る音楽)が流れると「ソロル様は舞姫と・・・」という芝居になり,ガムザッティのテーマ(ニキヤとの対決の最初のほうの曲)が演奏されると「私はラジャの娘なのだから」という気持ちの表出になる。再び舞姫のテーマで「その舞姫を呼ぼう」と決めて・・・という流れ。

普通の版でもガムザッティは同じような心情を表現するわけですが・・・この版では,とてもわかりやすくなっていてよいなー,と思いました。(奴隷に呼ぶよう命ずると間もなくニキヤが現れることになるので,ちと不自然があるのは否めないが)


で,ニキヤが登場するわけですが,この後の対決シーン,全編の白眉である(←え? 違う?)この場面こそが「頼む! ここは踊らんでくれ!!」だったのですわ。

いや,見応えがあるとは思いました。
舞台前と舞台奥でガムザッティとニキヤが同じ形のジュテをして「戦い」を表現する(?)ところとか,ニキヤがガムザッティに襲い掛かるところが二人揃ってのジュテの連続だとか・・・。

でもね,踊りを入れた分芝居を減らさざるを得なくなったみたいで,ニキヤがなんとかこの場を逃れようと右往左往して,ガムザティがそれを止めようとして,段々ニキヤが追い詰められた心境になっていく・・・というのを見せていないの。
ガムザッティがすがって頼んでいるのに(そういえば,このとき「首飾りを外して押し付ける」もなかったような),いきなりナイフのある場所まで走っていって,ナイフを掴むなり襲いかかる。

これはいくらなんでもマズイと思いますー。
あれではニキヤは,過剰防衛ではなく殺人未遂ですよ〜。立派な犯罪者ですよ〜。蛇で毒殺するという手段はさておき,捕らえられて死罪になるのが当然ですよ〜。

・・・とまで思ったわけではないですが,あの唐突さは承服しがたい。

それにですねー,ジュテをするというのはですねー,実は芝居の緊迫感をそぐことでもあるんですよね。
私,時々,2幕のアルブレヒトがジュテして去るのに悪口を言ったり,3幕(最終幕)のジークフリートがジュテして舞台に入ってくるのに文句を言ったりするでしょ? ああいう「きれいに跳んでる場合か!」感が出ちゃうから,好きではありませんー。
同じ意味で,ソロルの肖像画を背に「私の婿になることに決まっているのよ」というガムザッティを見つめるニキヤがポアントしているのも,あんまり好きではありませんー。


さて,2幕。
ここも紗幕前の行進から始まりました。ここは舞台転換とは関係ないから,幕前でなくてもいいわけですが・・・「国中上げての大イベント」感が出るという意味ではよいですよね〜。

婚約式は,「省略なくすべての踊りを盛り込みました」ヴァージョン。扇→オウム→チュチュ4人→ブロンズアイドル→壺→太鼓&インド→グラン・パ。
グラン・パでは,通常のソロルのヴァリアシオンを影の王国に持っていって,新しくヴァリアシオンが加わっているので,ソロルの踊りが増えて嬉しいですよね〜。ただ,音楽に唐突感はあったけれど・・・見慣れていればそうでもないのかな?

この幕の最大の特徴は,最後にソロルが遁走することでありましょう。すーっと前に見たからすっかり忘れていたので,驚いてしまった。
ところで,話がそれますが・・・新国でもソロルが逃げ出すのですが,私はそれを牧阿佐美さんのアイデアだと思い込んでおりました。でも,新国版はアキモフ(ボリショイの前芸術監督)がアドヴァイザーだったそうなので,単にグリゴローヴィチ版を踏襲したのかもしれませんねー。そういや,ラストでニキヤの幻影を見ながらソロルが死ぬのも(細部は違うけど)似てるかも。

そうそう,花籠ですが・・・この幕の冒頭でマグダヴェーヤが持ってきて,大僧正に確認してもらっていました。で,ニキヤに渡すときは,ラジャの命令で,やはりマグダヴェーヤが持ってくる。
マグダヴェヤが持ってくるのは,「ガムザッティの奴隷が持ってきたのにニキヤが疑いを持たないのはヘンでは?」がなくなるので,よい演出だと思いますが,マグダヴェーアはかなり気の毒な立場になっちゃいますね。ソロルには「逢引のアレンジしろ」と言われ,藩主(それとも大僧正?)には「殺すから手伝え」と命令され・・・。


3幕の冒頭は,婚約式から逃げ出したソロルが自室にたどりついたところから。(したがって,ここで衣裳を替えるツィスカリーゼは間違っていると思いますです)
起こった事の衝撃を踊って,マグダヴェーヤの勧めに従ってアヘン吸引。その間踊られる灯火をもった苦行僧たちの踊りは,幻想的でよい振付だなー,と思いました。特に上のほうから見ると効果的みたい。

影の王国は普通でした。(ここが普通でない『バヤデルカ』というのは,さすがに見たことないな)
アダージオの前半が終わってニキヤが下手奥の袖に引っ込むときに,ソロルが後を追わず,舞台上に残ったのが珍しかったですが・・・そういえば,ボリショイのダンサーがガラで踊るときもそうだなー,あれはガラ用に編集したのではなくて,いつもどおり踊っていたのかー,というのが発見。


最後,ニキヤは高速のピケで下手袖に消え,ソロルはそれを追って果たせず,舞台前方に取り残されます。(紗幕が下りる)
ここでソロルは阿片から目覚め,自分の罪を悟る。あるいは,ニキヤへの愛を再確認する。

紗幕が上がると舞台奥に神殿。
ソロルは神殿に急ぎ,跪いて許しを乞うが,神の怒りは神殿崩壊という形で現れ,彼は神殿の下敷きに。瀕死のソロルの目には,影の王国の精霊たちと同じ振付で坂を上るニキヤが見えるが,それも消えて,死を迎える・・・という感じ。

ここはよい演出だと思いますし,大好きです。
キーロフやパリオペのように4幕がないのは,「で,どうなったんだ?」で中途半端に終わるから,あまり好きではありません。ロイヤルやベルリンのように「神殿崩しといて二人が天上で結ばれる」のは,「なんかソロルに都合よすぎないか?」で首を捻るし,ちょっと4幕が長すぎる気がします。マールイは大僧正以外皆死ぬからこれよりはマシですが・・・どうかなー? ルジマトフ以外のダンサーで4幕を見たら,やっぱり「長すぎる」と思うかも。新国は,3幕の続きで神殿が崩壊し,影の王国の坂が再び現れて,ソロルが死んで終わるので好きです。

で,ボリショイはさらに好き。
3幕の続きという手際のよさもよいし,なにより,ニキヤと関係なく(というのもヘンだが)神の怒りでソロルだけが死ぬので,とっても後味がよいです〜♪

ニキヤが出てきて神殿が崩壊すると「女の恨みは怖い」という話に見えがちだし,藩主やガムザッティはともかくとして廷臣やら戦士やらを道連れにするのは行き過ぎですもんね。
かといって,ソロルがどうなったのかわかんないままに終わるのも落ち着き悪いもん。(阿片中毒で廃人になるのかしら〜?)

うん,よい結末だと思いますよ〜。 


ところで,昨日の日記にコメントを頂いたのですが,ナターリヤ・オシポワは,去年(?)発売された「ボリショイバレエ学校のすべて」でクローズアップされていた生徒さんなのだそうです。

今からでは予習は間に合わないとは思いますが,ご覧になって気に入った方が購入するときのために,(もちろん同時に下心を持って)以前作ったアフィリエイト・リンクを引っ張り出してきましたので〜。

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最後に自分のためのメモ
プログラムに載っていた,それぞれの踊りの振付者(載ってないのは,プティパということになるんでしょうね,たぶん)

幕開きの苦行僧の踊り グリゴローヴィチ
ニキヤとソロルのデュエット チャブキアーニ

ガムザッティのソロ グリゴローヴィチ
ニキヤと奴隷のパ・ド・ドゥ セルゲーエフ

ブロンズアイドル スブコフスキー
グラン・パ チャブキアーニ再構成(4幕から移動)
  アントレ・アダージョ チャブキアーニ
  ガムザッティのヴァリアシオン ポノマリョフ
  ソロルのヴァリアシオン グリゴローヴィチ

苦行僧の灯火の踊り グリゴローヴィチ
影の王国 ヨルダン+ロプホーフ
  ソロル登場のソロ チャブキアーニ
  ソロルのヴァリアシオン チャブキアーニ

  

  

posted by 槻本 at 20:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月06日

ボリショイのプログラムとか

今日は家族サービスに従事して多忙でしたので,ボリショイ関連で細かい話を。


まず,訂正というか,お詫びというか。
昨日,ツィスカリーゼの跳躍について「?」と思ったことを書いたのですが,全然的外れだったらしいです。メールでご教示いただいたので,昨日の日記に追記しておきました。

素人がテクニックの話を書くと恥をかく,ということですね。
たいへん失礼をいたしましたー。



先日フィーリン客演の東バ『ジゼル』を見たときに,カーテンコールで彼がわざわざコール・ドの手をとって前に引っ張り出していたので,「いい人だな〜」と,とてもほのぼのしました。

今回見ていたら,あれってボリショイのお作法みたいですね。
4日マチネのフィーリンはもちろん,ソワレのグラチョーワも,5日のツィスカリーゼも同じことをしていました。(主役のうち格上の方がするのが慣例なのであろう)

もちろん,だからといって,「フィーリンっていい人だな〜」という気分が減ったわけではないですよ。
美わしいお作法だと思うし,ゲストのときもそれをやってくれるなんて,やっぱりいい方ですよね〜。



『ファラオの娘』の初日にラムゼを踊ることになったナターリヤ・オシポワについて(たぶん皆さんチェック済みでしょうが,念のためボリショイ・ブログの記事もご紹介)

『バヤデルカ』では,3回とも,影の王国の第2ヴァリアシオンを踊っていましたが,上手でしたよ。ソリスト3人で同じ動きをするところは,彼女が一番大きな動きで高い跳躍。
若いからでしょうね,荒削りというか,「詩情ではなく溌剌で勝負」という感じはしましたが,ラムゼは侍女の役だそうですから,よいのではないかなー?(いや,見たことない作品だから推測ですけど,お姫様ではないのは確かでしょ?)



プログラムについて

NBSのプログラムは,主役について1ページずつ紹介が載っていて,大きな全身写真も見られるのは,皆さんご存知かと思います。
パリオペのときは,主役・準主役を踊るプルミエール&プルミエについても(具体的には,ジルベール,ベランガール,ファヴォラン,パケット)エトワールと同じ扱いだったのですが・・・ボリショイはプリンシパルだけなの。

ガムザッティやラムゼだけ踊るダンサーはともかく,主役のニキヤも踊るアラシュには気の毒だし,観客にとっても不親切だと思いました。
(彼女の階級は,アンドリエンコ,シプリナ,ゴドフスキー♪ と同じく,リーディング・ソリストと言うのだそうです)


それはさておき・・・
ステパネンコは直前降板でしたので,大きなニキヤの写真が見られます。(花籠が出てくる前のソロだと思いますが,衣裳が今回見た3人とは違うような?)
さらに,それほど大きくはないけれど,バランシン『タランテラ』の写真も。(テクニックの強さを誇る彼女には,この作品はとても似合いそう)

彼女のファンで,チケット代で力尽きてプログラムまでは無理な方は,会場に用意されている見本をご覧になるようお勧めいたしますー。(46ページと54ページですよん)

あ,写真なんか見たら余計悲しくなる,ということもありますよね。ごめんなさい。
でも,『タランテラ』の写真はとてもキュートだし,(たぶん)貴重だと思いますから,ご覧になってはどうかなー?

  

  

posted by 槻本 at 23:37 | Comment(3) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月05日

ボリショイ『ラ・バヤデール』5/5 ザハロワ,アラシュ,ツィスカリーゼ

3回目のボリショイ『バヤデルカ』を見て,帰ってきました。
たいへんたいへんレベルの高いバレエ団による大好きな作品の上演を見て,しかもキャストは3通り。それぞれ違うし,しかも昨日のソワレで見たグラチョーワは絶品だったし・・・。

というわけで,それはもう堪能しました。


今日の舞台について
(まだ公演が残っていますので,その辺はご注意くださいませ)

ザハロワは美しかったです。
たおやかで,儚げでありながら,比類ない美しさで輝く聖なる巫女。そして,信じられないような強靭な肉体と卓越した技術を持つバレリーナ。

それでですねー,贅沢な話で不愉快に思う方もいらっしゃるかもしれませんが・・・彼女のニキヤについては正直「見飽きた。当分見なくていい」と思っていたんですよ。身体能力も技術も十分見た。表現面では,若い頃のほうが好ましかった。最近は「女王様度」高すぎて,全然哀れに見えないから好きじゃない,なんて。
今回だって,チケットを買ったのは,ツィスカリーゼと(当初は今日ガムザッティを踊る予定だった)アレクサンドロワを見るため。

で,そういう気分が払拭されたわけではないのですが・・・ボリショイで見たら,けっこう新鮮でした。
ちょっと「キーロフからのゲスト出演」っぽくも見えたけれどね。(ガムザッティにナイフで切るつける場面で,ジュテをしないで,キーロフ風に普通に演技するなど)

踊りを見ていて,キーロフとボリショイの違いがわかるわけではないのですが(実際のところ,パリオペとボリショイの違いだってわかんないです。メソッドとか全然知らないもん)・・・「ボリショイは情熱的,キーロフは優美」とか言うじゃないですか。あるいは「ボリショイはスラブの魂。キーロフはヨーロッパ的」とか。それってあるのかもしれないなー,と思いました。

いや,ボリショイのバレリーナは皆さん優美ですよ。キーロフのバレリーナが情熱的でないわけでもない。
でも,なんか・・・ザハロワは,ボリショイの中で見ると,以前にまして,たおやかに見えました。言葉を換えて言えば「人間くさくない」とか「体温低そう」とか・・・かな? うーん,うまく説明できないというか,自分でもわかっていないというか・・・。

一番わかりやすい説明は「これは巫女だ」と思った,という書き方かも。
私には,アラシュもグラチョーワも巫女には見えませんでした。人間に見えた。(これは決して悪口ではありませんよ。人間であったグラチョーワのほうが,私にとってはずーっとすてきなニキヤだったもの)

それはダンサーの個性や表現の違いかもしれないけれど,ステパネンコやほかのボリショイのバレリーナの中に巫女に見える方もいるのかもしれないけれど,もしかすると,それはバレエ団の違いによるもので,ザハロワは,その点で今もキーロフのバレリーナなのかなー,と思ったのでした。
(あまり長々と書く必要がある話とも思えませんなー。せっかく書いたから,載せるけど)


アラシュのガムザッティは,親の言いつけを至上のものとして素直に従う世間知らずのお嬢さんだったのが,今回の件で成長し(←というのも妙だが)冷酷な権力者としてデビューした・・・という感じかなぁ? それとも,今回の件で徹底した人間不信に陥った・・・のかなぁ?

ニキヤとの対決シーンは哀れで,同情しました。
昨日は高慢なガムザッティに虐げられ,今日は威厳に満ちたニキヤに気圧され,(当然ながら)両日ともソロルは頼りにならず,気の毒だわ〜,と。

大僧正と父親の話を立ち聞きしてしまうでしょ。で,自分と結婚する「べき」人が身分の低い舞姫と恋仲だと死ってショックを受ける。でも,「私は藩主の娘なのだから」と勇気を振り絞ってニキヤを呼んで身を引くように告げたら・・・信じられないわ,この舞姫ときたら身分への敬意というものがない,「ソロル様は私の物です」なんて高らかに宣言するじゃないの。ただの舞姫のくせに。あまりのことに混乱してしまって,身分の違いを忘れてすがって頼んだのに,ますます猛り狂って,ナイフを手に襲いかかってくる。必死に逃げて難は逃れたけれど,なぜ私がこんな目にあわなくちゃならないの。お父様が選んでくださった国一番の戦士と結婚できないなんて,そんな・・・。(と泣き崩れる)

という感じだったんですよ。
最後も,ソロルの肖像画を見上げて嘆いたり俯いたりしていて,「殺す」マイムをしなかったと思うし・・・。(違いましたっけ?)
これってかなり珍しい演技ですよね。

昨日のニキヤは「ちょっと地味かも」でしたし,今日もやっぱり「ちょっと地味かな」ではあったのですが,こういう解釈なら,それも生きてくるわね〜。なかなか見られない「同情できるガムザッティ」を見たわね〜。

・・・と思っていたら,婚約式にニキヤが現れても平然。ソロルが動揺していても平然。ニキヤが毒蛇に噛まれても平然。
最後は,自分を糾弾するニキヤを尻目に,ソロルの手を撥ねつけるようにして,舞台から去っていきました。

うーむ,よくわからん。どういう解釈だったのでしょうねえ? 
もしかしたらもしかすると,「2幕での私の仕事はグラン・パを美しく踊ること。あとの演技は決められたとおり」だったのかなー? という疑いも生じるのですが,でも,1幕2場の「彼女ならでは」の芝居を見ると,そうは思えないんだよねえ???


踊りはとてもよかったですよ〜。
イタリアンフェッテこそ「ちょっと苦手?」に見えましたが,それだって,ミスしたとかでは全然ない。後半のフェッテは,1点から動かずに上げる脚も高く「おお,見事♪」でありました。
(そういえば,ガムザッティは3人とも,跳躍も回転も見事に安定していたし,きれいだった。ボリショイってすごいわ〜)


ツィスカリーゼは,「非常に特異な個性」全開のソロルでありました。

まず,踊りがすごい。(婚約式は,なぜかさほどでもなかったけどー)
とにかく身体が柔らかいんでしょうね,登場シーンなんか「ちょっと大きく前に踏み出しました」が180度開脚ジュテになっちゃう感じ。あと,ジュテ・アントルラッセ(でいいんですかね? 向きを変えながら跳躍して,後ろ足が高く上がる動き)の後ろ足の上がること,上がること。頭より足が上なんじゃないか,と思っちゃうくらい。

影の王国では,その柔らかさと大きな身体でもって,跳ぶわ回るわ縦横無尽。
生き生きと飛び回りすぎて,あんまり(いや,全然)苦悩や悔恨の踊りには見えないのですが・・・まあ,それを言うなら,ほかの2人もそうだったかもしれませんしね。
柔軟すぎるせいか,マネージュなどでジュテの後ろ脚の膝が曲がって見える(※ ↓をご参照ください)のだけは気になりましたが,そりゃもう見事なものでありました。


演技は独自色が強く,興味深いものでありました。
・・・これを書くと長くなるから明日以降にしよう。

衣裳も独自色が強かったです。
・・・これも書くと長くなるから明日以降にしよう。

ラストシーンも独自の解釈で・・・だめだ,これも長くなる。

というわけで,今日はここまで〜。


【追記】
メールでご教示いただいたのですが,「ジュテの後ろ脚の膝が曲がって見える」というのは,「グラン・ジュテ」ではなく「グラン・アチチュード」のときのことではないか(グラン・アチチュードの形として正しい)ということでした。失礼をいたしました。

  

  

posted by 槻本 at 23:34 | Comment(5) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月04日

グラチョーワのニキヤ♪♪♪

ボリショイ『バヤデルカ』(じゃなかった。『ラ・バヤデ−ル』でしたね)を昼夜見てきました。
今日は、私にとっては、「グラチョーワのニキヤをまた見られた幸福」に尽きますわ〜♪

彼女こそ「マイ・ベスト・ニキヤ」だと思っていましたが、見たのは10年以上前だし、そのころはこうやって記録したりしていなかったから、今となっては、どこがそんなによかったのか自分でもよくわかんなくなっちゃってたの。

ものすごーく久しぶりに、あの情感溢れる踊りを見ることができて、「ああ、そうだったのか。こんなふうだったから好きだったのか」と確認できたし、もちろんそんなことは関係なくたって「すばらしいニキヤだわ〜。大好きだわ〜」と思える表現で、ほんとに見られてよかったです。とってもとっても嬉しいです。

あまりに嬉しかったので、ものすごーく久しぶりにスタオベしちゃったわよ。
(自分にとってさほどでない公演で前の席の皆さんが立ち上がっちゃって、同調する気には到底なれないけれど、でも、カーテンコールはやっぱり見たい・・・という経験をして以来、しないことにしてたの。今日も後ろの席の方には悪いと思ったけれど・・・でも立っちゃった。迷惑かけた皆さん、ごめんなさいね〜。ナージャさんのニキヤを見るのは最後かもしれないから、許してね〜。って、ココに書いてもしかたないか)


詳しくは後日書きますね。
(今度は、忘れないようにちゃんと記録しとかなくちゃ。また見る機会があるとはあんまり思えないし。うう、7日の横浜も行きたくなっちゃったなぁ。こういうときだけは、なんで首都圏に住んでないのかと悔しくなっちゃう)


あとは簡単に。
(ネタバレとは違うけれど、先入観を持ちたくない方はご注意くださいね)

影の王国のコール・ドは美しかったです〜。
ただ、坂が2段でちょっと残念。(詳しい方に聞いたら、そもそもは3段だけれど、ボリショイの新館用のセットは2段なので、それを持ってきたのではないか? ということでした)

太鼓の踊りをものすごーく楽しみにしていたのですが、うーむ、さほどではなかったなぁ。(期待値高すぎ?)


マチネのアラシュ@ニキヤは、きれいにていねいに踊っていてよかったですが、ちょっと地味というか、感情表現が「悪くはないが、もうちょっと」というか・・・。
シプリナ@ガムザッティは、一見愛らしい「お姫様」風なので、怖さが増す感じのガムザッティ。彼女もきれいでした。

二人ともプリンシパルではないせいか「新人公演」的印象はありましたが、1幕2場の対決シーンでニキヤがガムザッティを襲うところのジュテ2連発の揃い方など見ると、これが「グリゴローヴィチ版の正統派上演」なのかも。
黒髪のニキヤと金髪のガムザッティというの対比のせいか、「身分の違い」が際立っていた感じがしたのがよかったです。

フィーリン@ソロルは、踊りはたいへんきれいだったと思いますが、うーむ・・・演技力不足? あるいは、この作品は(『ジゼル』などと違って)演技する必要のない役だと考えている?? それとも私の見方がヘン???
要するに・・・つまんなかった。


ソワレのガムザッティはアレクサンドロワでした。
踊りはダイナミックで見事。演技も、「偉くて怖い」でよかったです。

ネポロージニー@ソロルは優美でしたね〜。
踊りも立派なテクニックかつエレガントでしたし、演技も「この人の弱さがすべての原因」と思えて、説得力がありました。


本日のお気に入りは、昼夜ともマグダヴェーヤを踊ったヤン・ゴドフスキー♪
たぶん初めて見た方ですが、踊りが上手いです。キレてます。この役特有の「・・・土人?」系のいでたちでしたが、それでもかっこいいです。演技もいいです。
シングルキャストなので明日も見られるわね。楽しみ〜。

あ、ツィスカリーゼ@ソロルも楽しみです。
昨日の舞台を見たお友達が、みーんな彼のことばかり話すの。(ザハロワの話題なんか全然出ないのよ) 「誉める」という感じではないんだけれど、とにかく印象的だったらしいです。
相当なものだったらしいので、話題に乗り遅れたくない方は必見かも〜。

  

  

posted by 槻本 at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年05月02日

明日からボリショイの公演ですねー。

私はねー,3回『バヤデルカ』見るの。
ゴールデンウイークのおかげだわ〜♪


えーと,今さらですが一応。
ステパネンコは来日中止だそうです。NBSのこちらのページ

『ラ・バヤデール』キャスト変遷

5/3(水・祝)
ザハーロワ
ツィスカリーゼ
アレクサンドロワ

5/4(木・休)マチネ
ステパネンコ → アラシュ
フィーリン
アラシュ → ステパネンコ → シプリナ

5/4(木・休)ソワレ
グラチョーワ
ウヴァーロフ → ネポロージニー 
シプリナ → アレクサンドロワ

5/5(金・祝)マチネ
ザハーロワ
ツィスカリーゼ
アレクサンドロワ → ステパネンコ → アラシュ

5/7(日) 神奈川県民ホール
ステパネンコ → グラチョーワ
ウヴァーロフ → ネポロージニー   
シプリナ → ステパネンコ → アラシュ

「怪我」ということですが,前回のキャスト変更を併せて考えるに,最近の負傷ではなく,「全幕主演は無理だが,なんとかガムザッティで」という体調だったけれど,最終的に諦めざるを得なかった・・・ということなんでしょうね,おそらく。

体調によるキャスト変更はやむを得ない(というより,当然の)ことですが,今回のボリショイの場合,結果としてキャスト変更の途中経過が販促になっただろうなー,と思うと,なんか後味が悪いですよね。


ところで,ツィスカリーゼが朝日新聞に登場したそうで。
asahi.comで読めます。(別窓で開きます)
http://www.asahi.com/culture/stage/theater/TKY200605020268.html

日本でのバレエ公演は「フランスや英国のバレエ団が主流」という現状認識など「あのー,それは間違いだと思いますー。ロシアのバレエ団のほうがたくさん公演してますよー」もありますが,まあ,要は,「ボリショイを通じ,本物の古典バレエは,かくあるべしという舞台を見てもらいたい」という話の前置きなんだろうから,まあ,いいか。

「金髪だったら日本でもっと人気が出た」発言は面白いですね〜。(これも,現状認識が間違っているのではないか,という気はするが)
この冗談(?)のとき彼が思い浮かべていたであろう「日本で人気がある金髪のダンサー」とはいったい誰なのでしょー? 同僚ウヴァーロフかしらん? それともマラーホフとかでしょうかね? 

あ,皆さん,ボリショイブログの彼の写真(at成田空港)ご覧になりました? 
かっこいいいよね〜♪

  

  

posted by 槻本 at 20:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年04月13日

ボリショイ・キャスト変更

NBSのこちらのページね。

ボリショイ・ブログさんも告知しております。(ネポロージニー@クラッススの写真つき)


ウヴァーロフが2月に怪我をしたのは周知の事実でしたから,「そうですか,無理でしたか。お大事に」ですし,代役がネポロージニーというのも納得がいくわけですが・・・いくらなんでも,ほかの変更が多すぎませんかね?

5/3(水・祝)
ザハーロワ
ツィスカリーゼ
アレクサンドローワ

5/4(木・休)マチネ
ステパネコ → アラシュ
フィーリン
アラシュ → ステパネンコ

5/4(木・休)ソワレ
グラチョーワ
ウヴァーロフ → ネポロージニー
シプリナ

5/5(金・祝)マチネ
ザハーロワ
ツィスカリーゼ
アレクサンドローワ → ステパネンコ


5/7(日) 神奈川県民ホール
ステパネンコ → グラチョーワ
ウヴァーロフ → ネポロージニー   
シプリナ → ステパネンコ


5/9(火)
ザハーロワ 
フィーリン 
アレクサンドローワ → ナターリヤ・オシポワ

5/10(水)変更発表済み
グラチョーワ → アレクサンドローワ
スクヴォルツォフ → ツィスカリーゼ
ヤーツェンコ

5/11(木)
ルンキナ 
グダノフ 
アンドリエンコ

5/12(金)
アレクサンドローワ 
ツィスカリーゼ → フィーリン
ヤーツェンコ


「やむを得ない事情」によるものだそうで,まあ,ダンサーご本人の体調とか,連日出演でダンサーに過剰な負担をかけないようにしたいとか,ダンサー同士の組み合わせの都合とか,いろいろ事情はあるのでしょう。
ステパネンコがガムザッティに回る横浜公演はグラチョーワがニキヤの代役に立つことなどを見れば,バレエ団としてもよい舞台を見せようとしているのだとは思います。

でもねー,「都合」や「事情」の話をするのであれば,観客のほうにも「その日を選んだ都合」や「誰を見たいかの事情」があるわけで・・・そっちを最大限優先していただきたいものです。


私としては,5日のアレクサンドロワ@ガムザッティが見られなくなったのがかなり残念。(ステパネンコ@ガムザッティは4日に見られるしー)
一瞬,こっちは売り払って,3日を買いなおそうか・・・と思いましたが,うーむ,その日は森下さんのジゼルなんだよねえ。

自分は関係ないけれど全然納得がいかないのは,『ファラオ』最終日のツィスカリーゼ→フィーリンです。
ツィスカリーゼがお目当てで,発売当初にこの日を買った方は,極めて不愉快だろうと思います。ご本人が故障したわけではない,(彼が踊る10日もバレリーナは同じなんだから)パートナーとの兼ね合いでもない。いったいぜんたい,どんな「やむを得ない事情」があるというのでしょーか?

・・・ラトマンスキー(か誰かエライ人)が「改めて考えてみると,フィーリンの出演が2回でツィスカリーゼが4回なのは均衡を失するな。10日はやっぱりフィーリンに踊らせようかな? いや,それでは9日と連続になってしまう。それじゃ12日を変えちゃおう」なんて突如思い付いたのではあるまいか? なんて憶測しちゃいますよ。


まあ,ロシアのバレエ団にはキャスト変更はつきものではありますし,キーロフ得意の直前or当日変更よりははるかにマシだとは思いますが(さすがNBSは有能ですな),「何卒ご了承ください」で片付けられては困ると思うんですけどー?

観客全体を見れば「ボリショイ・バレエを見にいく」方が多いのでしょうが,キャストにこだわるような熱心な観客をもっと大事にしてほしいものですよ。まったく。

(なお,こういう意見があるのを知っていただきたいので,ボリショイ・ブログにトラックバックしてみました)

  

  

posted by 槻本 at 22:35 | Comment(3) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ

2006年04月03日

ボリショイのエコノミー席

今週金曜日発売ですよん。狙っている方はお忘れなく。
イープラスのこちらのページね。

ところで,東バ『ジゼル』の感想を載せましたので〜。

  

  

posted by 槻本 at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボリショイ・バレエ
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